けん引役となって「敬老会・十五夜祭り」の大綱を練り上げる青年団員たち=8日、伊仙町東伊仙東
【徳之島】伊仙町東伊仙東集落(竹園温師区長、約148世帯・約250人)の公民館広場で8日夜、「敬老会・十五夜祭り」(13日夜)に向けた「綱かき」作業があった。伝統行事を通じ地域の活性化を―と継承者になっている青年団(政寿樹団長)のメンバーらが、「ヨイショ」の掛け声とともに渾身の力を込めて大綱を練り上げた。
同集落の「十五夜祭り」(綱引き)は16年前、当時の青年団員らが40数年ぶりに復活。少子高齢化で青年層も減る中、先輩から後輩への奮起のリレーで敬老会と併催している。
かつての減反政策によるサトウキビ転作で伊仙町内には水田が無い。今や〝貴重品〟となった稲わらは、今年も天城町浅間の生産者が提供してくれた。事前のわらすきなど手間の掛かる準備作業などには、将来の後継者となりうる子ども会も協力した。
「綱かき」は、公民館広場の踊りやぐらの骨格を活用して午後6時ごろ開始。3人一組で呼吸を合わせ、こん身の力をふり絞って汗だくでわらを締め込んだ。スコールの〝水入り〟中断や休憩交代もはさんだ約2時間後、ユイの絆をつないだ大綱(最大径約25㌢、長さ約20㍍)が完成。女性連が炊き出した鶏汁などで労をねぎらい合った。
青年団の政団長(38)は「若者が揃うと地域が活性化すると思う。この伝統を次につなげたい。子どもたちの稲作体験も交え、稲わらを自給できる場づくりも努力したい」。竹園区長(65)も「毎年新鮮な稲わらを使った綱かきで心機一転できるのも魅力だと思う。青年団を中心に壮年や女性部が集落行事に積極的に協力してくれている」と目を細めた。
「敬老会・十五夜祭り」は13日午後6時すぎから、集落内の75歳以上のお年寄りを招待して同公民館で開く。島唄やエイサー演舞など演芸も交え、中秋の名月の下では子ども会とお年寄りの対抗戦など綱引きで交流。その大綱で土俵をかいてのちびっ子相撲なども予定している。