住まいのリフォームコンクールのコンバージョン部門で優秀賞を受賞した瀬戸内町阿木名の「Hub a nice d!」とオーナーの山本美帆さん
(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター主催の第36回「住まいのリフォームコンクール」の受賞事例が9日、発表された。奄美からは瀬戸内町阿木名の空き家改修による地域コミュニティー拠点施設「Hub a nice d!」(ハブアナイスディ!、愛称・ハブディ)が、コンバージョン部門で優秀賞を受賞。県内からの入賞は35年ぶりという。
同コンクールは全国各地で施工されたリフォーム事例を募り、優秀な事例を表彰することで、リフォームの普及促進・水準向上を図るもので、1985年から毎年実施。昨年の第35回からは住宅リフォームに加え、空き家などを住宅以外に用途変更した活用事例を募集するコンバージョン部門も開催。今年は住宅リフォーム部門に397件、コンバージョン部門に33件の応募があった。
ハブアナイスディ!は住民発の地域づくりに取り組む「やまぐんまちづくり委員会」が2018年10月にオープンしたもの。創業支援のためのチャレンジショップや多世代交流を目的とした地域食堂、レンタルスペースなどの役割を担う。今回コンクールには同オーナー・山本美帆さん(33)、設計士・森帆嵩さん(34)さん、大工・中村栄太さん(34)が連名で応募した。
3人は「地域の方々の協力をもらいながらみんなで作り上げる過程を大事にした。受賞を機に初心に戻り、愛される場に育てたい」(山本さん)、「シマの親せきの家に帰ったような居心地の良い空間になるような設計を心掛けた。地域に愛される施設になれば幸い」(森さん)、「解体作業の際に白アリにやられていて、途方にくれたのを思い出す。職人としても一つ上に行けたような現場だったので受賞はうれしい」(中村さん)と語った。
3人がこのほど結成した「HEM creation」(ヘムクリエイション)は今後も空き家活用のアイディアを出す予定。現在、「かごしま空き家活用コンテスト」((公財)県住宅・建築総合センター主催)に集落住民・観光客がものづくりの楽しさを実感できるスペースのアイディアを応募するなどしている。