名瀬小俣 「火の用心まつり」

にぎやかな掛け声で意識高揚を呼び掛けた防火パレード

パレードでにぎやかに防火呼び掛け
殺人事件影響 2カ月延期で開催

 第25回「小俣火の用心まつり」が14日、奄美市名瀬小俣町(柏原禎自治会長、605世帯1130人)の小俣町集会場などであった。子どもたちがお手製の神輿=みこし=を担いだり、拍子木を打ち鳴らしながら同町内をにぎやかにパレード。住民の防火意識高揚に一役買った。また、この日夜からはステージイベントなども行われた。

 祭りは1993年、同集落で民家15棟を焼いた大火の後、94年に焼け跡で初期消火訓練を行い、八月踊りなどを楽しんだことに端を発するものという。例年7月中旬に開催する町内の一大イベントだが、今年は6月に同町内で発生した殺人事件の容疑者が未逮捕だったため延期。付近の四谷交番などの了解も得た上で、8月下旬の自治会役員会で延期後の日程を決めていた。また、祭りに向け、「市紡ぐきょらの郷=しま=づくり事業」の助成を受け、集会場の舞台も新設。今月上旬に完成し、お披露目も兼ねての開催となった。

 この日は出来上がったばかりの舞台で記念写真を撮影してからパレードに出発。先導する軽トラックからは「焦げ匂い、火事の前触れ、声掛けを」の防火標語を放送。標語に続き、「火の用心」の呼びかけと拍子木を打ち鳴らした。さらに神輿を担ぐ子どもたちは「わっしょい!わっしょい!」掛け声を出すなど、にぎやかな様相で、約20分かけて町内を巡回した。

 柏原会長(80)は「(殺人事件容疑者逮捕で)安心してパレードができた。かつては小俣といえば火事、火事といえば小俣ともいわれたが、祭りを始めてから減少した。一大イベントなので今後も若者に頑張ってもらいたい」と語った。