望遠鏡などを使ってオキナワハクセンシオマネキを観察する子どもたち
奄美市名瀬の奄美博物館は15日、同市住用町のマングローブで生き物観察会を開いた。家族連れなど46人が参加し、国内2番目の広さを誇るマングローブ群落の干潟を散策。同館職員の平城達哉さんの教えのもと、特有の動植物を見学し、生態系などを学んだ。
奄美博物館のリニューアルオープン(8月24日)を記念して開催。奄美群島国立公園で新たに提唱された「環境文化型」の考え方を前面に押し出した展示内容となっている。今回のイベントは奄美特有の自然を直接体験することで、奄美の自然に興味を持ち、魅力を再発見してもらおうという目的だった。
当初の予定を上回る18家族46人が参加。平城さんはオヒルギ・メヒルギなどのマングローブを形成する植物を解説。ミナミコメツキガニやオキナワハクセンシオマネキが歩き回る干潟も散策した。同マングローブではなかなか見ることができないというヒメシオマネキを見つけ出す一幕もあった。
平城さんの「日本で二番目という広さを体感してほしい」という思いから、干潟だけではなくマングローブが茂る細い道も散策。ミナミトビハゼが水面から飛び跳ねる様子に子どもたちだけでなく保護者らも興味津々だった。
約1時間の行程を経て観察会は終了。同行した高梨修館長は「来年、奄美大島は世界自然遺産になる可能性が高い。世界中の人が注目する島に住んでいても、自然を見に来る機会は少ない。平城先生に今後もたくさん連れて行ってもらいましょう」と子どもたちに呼び掛けた。
参加した小宿小1年の元蒔優さん(6)は「模様と色が面白いカニがいた。歩くのは大変だったけど、生き物の種類が多くて楽しかった。また来たい」と笑顔だった。