県議会一般質問

原発「廃炉合意」「面会拒否」言及せず
知事答弁に平良議員「極めて不誠実」
有識者懇 制度運用関係者で協議検討

 

 9月定例県議会は19日から一般質問に入り、同日は平良行雄議員=共産党、鹿児島市・鹿児島郡区=、東清剛議員=無所属、日置市区=、堀之内芳平議員=自民党、鹿屋市・垂水市区=、宝来良治議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=が登壇。今春の県議選で初当選し、初めての一般質問を行った平良議員は、3年前の県知事選で締結した九州電力川内原発に関する政策合意への知事の見解をただした。廃炉に関する合意の認識、再三の面会要請に応じなかった理由について三反園訓知事は言及しなかった。

 前回知事選で三反園氏と反原発代表だった平良氏は、2016年6月に原発を「廃炉にする方向で取り組む」などとした政策に合意。平良氏が立候補を取り下げる形で候補者の一本化が実現し、翌7月の知事選で三反園氏が当選、三反園県政が誕生した。

 こうした経緯を踏まえ平良議員は一般質問で締結した政策合意の認識を質問。知事は答弁で廃炉に関する政策合意の認識について直接触れず、「県民の安心安全が一番であり、事故に備えた防災対策を進めている。脱原発に向けては再生エネルギーを推進し、原発に頼らない社会づくりに取り組んでいる」との答弁を繰り返した。また、平良議員が政策合意について協議するため何度も面会を求めたものの、実現しなかった理由(面会拒否)を繰り返しただしたものの、知事は言及しなかった。

 知事の姿勢に対し平良議員は「全く話にならない。極めて不誠実であり、到底納得できない」と厳しく批判。知事の任期は残り1年弱だが、平良議員は「きょうが第一歩。今後も議論し、川内原発に関する政策合意の中身の実現を強く求めていく」と締めくくった。

 子ども医療費無料化の実現も取り上げられた。現在は非課税世帯の未就学児が対象の子ども医療費の窓口無料化を、知事は住民税非課税世帯の小中高校生にも広げる意向を表明。ただし知事の公約(マニフェスト)では「子ども医療費助成の窓口での一時払いを完全ゼロにする」を掲げている。

 吉見昭文・子育て・高齢者支援総括監は「子どもたちの健やかな成長のためには、医療機関の受診を控えることで、病気が重篤化することがあってはならないと考えている」と述べた上で、▽自主財源の乏しい脆弱な財政構造▽扶助費が増加傾向▽公債費の高水準推移見込み―といった厳しい財政状況を挙げ、「医療機関等での窓口負担ゼロの対象をこれまでの未就学児に加え、新たに住民税非課税世帯の高校生まで加えたいと考えている」と説明。公約実現に関し知事は「厳しい財政状況からすぐに実現は難しい。行財政改革などで体力をつけて実現を目指したい」との答弁にとどまった。

 窓口無料化対象拡大に向けて有識者懇談会を設置するが、「保護者代表を加えるべき」との要望も寄せられた。知事や総括監は「(有識者懇談会は)検討すべき事項や想定される課題について制度運用の関係者が協議、検討を行う場と考えている」とし、前回と同様、委員は市町村、医療関係者、保険者、審査支払機関の代表を予定しているとした。