中SAMシステムの運用について説明を受ける米陸軍隊員(写真は奄美駐屯地内)
車両防護を米隊員研修
奄美駐屯地内
陸上自衛隊西部方面隊は20日、奄美市名瀬大熊の奄美駐屯地内で行われている陸自と米陸軍による合同実動訓練「オリエント・シールド19」の一部を地元メディアに初めて公開した。同駐屯地における警備手順の確認や、配備されている中距離地対空誘導ミサイル(=中SAM)の防護展開を米隊員が研修する様子に限定。これについて西方総監部広報室は「訓練の性質上、保全上問題のない場面での公開にとどめている」と報道陣に説明した。
日米訓練は日米間の対処能力の向上などを目的に先月26日から始まり、奄美大島のほか熊本県や北海道の訓練地で実施。各指揮系統に伴う共同作戦を展開している。
同駐屯地では期間中、中SAM運用部隊約20人と米陸軍側約30人が参加。16日に準備のため米軍ヘリコプターで米隊員が来島したのを皮切りに18日から実動訓練がスタートし、車両警備やヘリポートを活用した人員移動などを展開中。
同駐屯地で初となる日米合同訓練に地元メディアの関心は高く、10社が取材を行った。庁舎内では日米の隊員が警備に関するミーティングや、敷地内で行われた中SAMシステムの機動を米隊員が研修。陸自隊員の説明を注意深く聞き入っていた。
陸自側は当初、部隊保全などから訓練を非公開としていた。今回一転して公開したことに同広報室は「天候不良などで米軍側の来島動向が不透明だったが、その後訓練は計画的に進行。また住民理解を得ることも重要と考えた」として、訓練に支障のない範囲での公開に至った経緯を説明。米軍側から特に反対はなかったという。
訓練終了は23日を予定。