今年も芦花部で例大祭

西郷の命日に芦花部の南洲神社で遺徳をしのぶ例大祭が行われた

集落民など参列西郷の遺徳しのぶ
没後142年

 西郷隆盛の命日にあたる24日、奄美市名瀬芦花部の南洲神社で例大祭が行われた。西郷の没後142年の例大祭に、集落住民や関係者などが参列して宮司が神事を執り行い西郷の遺徳をしのんだ。例大祭終了後には、隣接する芦花部教会で奄美市西郷塾の勉強会も行われた。

 同神社は1940年に鹿児島南洲神社から分祀。奄美では沖永良部島にもある。『芦花部南洲神社諸記録』によると、同集落には西郷が1860年から61年の間の半年間、同集落の子弟に教育や狩猟、漁などを教えていたとしている。現在は集落が維持管理しており、昨年、2007年から11年ぶりに例大祭が復活されていた。

 例大祭は、同市名瀬の高千穂神社の禰宜=ねぎ=で南洲神社の宮司を兼ねる當郷裕之さんが、集落の町内会や奄美市西郷塾の関係者の依頼で実施。例大祭には住民や同塾生など約40人が参列した。

 お供え物が拝殿に並べられ参列者の見守る中、當郷さんが祝詞奏上や玉串拝礼など滞りなく神事が進行。神殿に全員で拝礼して例大祭は終了となり、お神酒が参列者に振る舞われた。

 参列者を前に當郷さんは、「例大祭は西郷南洲の遺徳をしのぶ祭り。全国に南洲神社が五つあるが、宗教法人で登録されているのは鹿児島南洲神社と芦花部南洲神社の2社。今後も神社の維持に協力いただき、例大祭が存続できるよう頑張っていきたい」と語った。

 芦花部町内会会長の重江隆和さん(62)は、同神社で結婚式を挙げたという。「これからも例大祭を続けて、芦花部が盛り上がるよう情報発信していきたい」と話した。