徳之島3町長ら地元関係者の出迎えを受けたIUCNの専門家ら(中央の2人)=8日、徳之島空港
関係機関職員らとは対照的に、気さくな表情で徳之島入りしたIUCNの2人=8日、徳之島空港
来夏の登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産候補地に関し、ユネスコの諮問機関・IUCN(国際自然保護連合)の専門家らが8日、徳之島入りし、調査を行った。同日中に空路で奄美大島に到着。きょう9日は奄美大島での調査の様子が報道機関に公開される。
今回の調査はIUCN専門家のウェンディー・アン・ストラーム氏と同世界自然遺産部門職員のウルリーカ・オーバリ氏の2人によるもの。5日に沖縄島北部からスタートし、7日同地域の「やんばる国立公園」内の森林で環境省職員などから説明を受けた。
2人は8日午後1時ごろ、環境省職員らを帯同し、沖縄本島から空路で徳之島入り。同空港では徳之島3町長を含む地元行政関係者らが「ウェルカムトゥ徳之島」と英語で書かれた横断幕を掲げ歓迎した。同空港を出た2人は島内の推薦地の説明を受けたほか、地元自然保護関係者から取り組み状況などをヒアリングしたとみられる。
同日夕方には空路で奄美空港へ移動。9日と10日午前に奄美大島内の推薦地の調査を行い、11~12日は西表島での調査を予定している。
徳之島で環境保全活動やエコツアーガイド業を行うNPO法人「虹の会」の美延睦美事務局長は「昨年の延期勧告などを経て、外来種駆除を自主的に行うなど、住民の意識は高まってきている。住民が世界自然遺産に登録されることを待ち望んでいるということが調査員に届いていれば」。また、「登録に向けた課題は山積している。調査員たちが徳之島を見てどう感じたのかを知り、どういった取り組みが必要かを模索したい」と語った。