宿泊・レンタカーに影響

宿泊・レンタカーに影響

「台風19号に伴う欠航便をご予約のお客さまへ」と書かれた看板が設置されたが、事前に予約を変更した利用者が多かったためか、空港の混雑はあまり見られなかった(14日午前、奄美空港)

台風19号 3連休に欠航便多
影響さまざま、「大きな痛手」の声も

 関東地方に上陸し、各地に被害をもたらした台風19号。奄美地方に直接の被害はなかったものの、12、13日には関東・関西と奄美大島を結ぶ空の便が相次いで欠航し、3連休期間に観光客の足が止まった。島内の観光業界への影響はさまざまだったが、関係者からは「大きな痛手」との声も聞かれた。

 台風19号により12日、奄美大島離発着の羽田・大阪(伊丹)便の往復便(JAL)、成田便(ピーチ)の往復便が欠航。13日も引き続き、羽田往復便、奄美大島―大阪(伊丹)便(JAL)が欠航した。

 奄美市笠利町内のホテルでは「欠航によるキャンセルは少なく2件のみ」という。同ホテル関係者は「夏の観光シーズンが外れていたので、延泊対応もしやすかった」。一方、奄美市名瀬のホテル関係者は「延泊もあったが、1日当たり5~6件のキャンセルがあった。LCC再就航効果が出始めたばかりで出はなをくじかれ痛手」と声を落とした。

 瀬戸内町のホテル関係者は「9月に続き、連休の稼ぎ時に台風の影響を受けている。関西からのお客さまが多い地域なので伊丹便の欠航が非常に痛かった」と悔やむ。今月以降の旅行会社のツアー増加、12月のLCC関西便再就航を機に「巻き返しを図りたい」とした。

 奄美空港付近のレンタカー事業所では14日、航空便の再開に伴い車を返却した人が続々と送迎車に乗り込んでいた。事業所関係者は「キャンセルは全体の3分の1に満たない程度。早めの予定延長が多かった」。約30件に上るキャンセルがあったという事業所の関係者は「直接台風が来るときよりは影響は少なかったが、痛手にはなった」と話した。

 同日、同空港では関東方面に帰る観光客の姿が多く見られた。航空会社のカウンターで対応したスタッフによると、羽田便搭乗予定だった人の多くが、事前に鹿児島空港経由に振り替えるなどしたため、空港内の混雑はあまり見られなかったという。

 東京都から訪れたという40歳代女性は「1泊延泊した。12日の夜に電話で予約を変更し、鹿児島経由で帰ることにした。知人宅付近の河川の水位が上がったり、自宅付近の路線で土砂崩れがあったことを聞いているので、帰ったら知人や家族と連絡を取りたい」と話した。