奄美出身者も不安募らせる

大雨で増水した多摩川の堤防を封鎖する作業員ら(12日午後)

台風19号、東日本各地で甚大な被害

 12日夜から13日未明にかけて東日本を縦断した台風19号の記録的大雨の影響で、長野県の千曲川が氾濫、東京都の多摩川でも水があふれるなど被害が相次ぎ、奄美出身者らも、不安を募らせた。台風が過ぎ去った14日には、東京都北区の東十条小学校で行われた東京奄美会の運動会に多くの出身者らが参加、前日までに甚大な被害をもたらした影響などについて、出身者同士で安否を確認しあうなどした。

 東京都小平市在住の大江修造会長は「風はそれほど強くなかったが雨がすごかった。今のところ奄美出身者に大きな被害が出たという連絡はないが、東日本の広い地域で被害が出ており、今後、奄美関係者の被害報告があるかもしれない。出身者に多数の被害が出るようなことになれば、東京奄美会としてもできる限りの支援を考えたい」と話した。

 9月の台風15号では停電など深刻な被害がでた千葉県四街道市在住の森眞一前会長は「停電など大きな被害を心配したが、自宅周辺は今回、大丈夫だった。ただ、広範囲で大きな被害が出ているようで、大変な思いをしている人も多いと思う」と被災者を気遣った。

 東京住用会幹事長で埼玉県春日部市在住の井上雅仁さん(69)も「12日の夜から強風と大雨に見舞われ、被害が出ないか不安だったが、自宅周辺は大丈夫だった」と話した。ただ、最寄りの「東武伊勢崎線せんげん台駅」が浸水するなど、県内各地で家屋などの浸水被害もでており、「生活に支障が出てくるかもしれない」などと話した。

 長野県上田市在住で大和村出身の児玉早苗さんは、千曲川の氾濫地点から車で約30分の場所に自宅があり、「千曲川にかかる近くの橋が崩落し、道路が陥没して車が流され行方不明者も出ている。こんな大きな被害になるとは思っていなかった」と驚いていた。子どもが通う長野市内の専門学校は休校になっており「電車などの交通網が一日も早く復旧してもらいたい」と話した。