大島紬を着用し記念写真に写るツアー参加者ら(提供写真)
米国ニューヨークのWEBメディア「COOL HUNTING(クールハンティング)」が主催するツアーがこのほど、奄美大島を訪問した。大島紬関連4事業者が連携し誘致に尽力。海外から25人が奄美を訪れ、さまざまな体験活動を通し、紬に限らず奄美の文化・自然を満喫した。
▽都成織物▽前田紬工芸▽はじめ商事▽夢おりの郷―の4事業所は2016年度から「JAPANブランド育成支援事業」の補助を受け、海外販路拡大に向けた事業を推進。今年3月までに海外でのマーケティング調査などを実施しきた。
事業期間中の今年2月、ツアー主催担当者が下見に来日するとの情報を得た4事業所は、奄美への訪問を交渉。東京からの航空運賃を事業費から負担することで呼び込みに成功し、今回のツアー日程に奄美を組み込むための布石となった。
ツアーは同メディアが毎年行うもので、今回は日本を旅先に開催。富裕層をターゲットにしており、奄美以外には京都、広島、香川などを訪問した。3日間の奄美滞在中、4事業所は制作工程見学、泥染め・着付け体験などを通し紬の魅力を発信。このほか一行は黒糖焼酎工場の見学、マングローブカヌー体験などを行った。
泥染め・着付け体験などを対応した夢おりの郷の南晋吾代表取締役社長は「製品購入の場も提供し、洋服や小物を買ってもらえた。お金を使ってもらえただけでも進歩」と振り返る。南社長によると、ツアー客らからは「車の内装に使用したい」との声も。「影響力のある人たちだと思うので、今回だけで終わらず個々人との関係も大切にしたい」と話した。
また、大規模な訪日外国人旅行者を対応したのは初めてだったということで、「今後、海外からの団体客が増えるかもしれない。ある程度コミュニケーションが取れることで購買につなげられるよう、言葉に対しての意識改革が必要だ」とした。