慰霊碑に献花する参列者たち=和泊町=
平和への思い込める
子ども達が作文朗読
【沖永良部】和泊町招魂祭・戦没者追悼式(同町遺族会主催)が11日、同町防災拠点施設やすらぎ館であった。遺族や地域住民ら約110人が参列。町内の児童生徒らが平和への思いを込めた作文を読み上げ、戦争の犠牲となった671柱の冥福を祈った。
神事の後、追悼式を開催。遺族会の福山肇会長は「悲しみの歴史を繰り返さないことを決意し、戦争の悲惨さと平和の尊さを風化させることなく次の世代に語っていきたい」と追悼の言葉を述べた。
和泊小6年の東大介さんと内城小5年の永野彩奈さん、和泊中2年の田代雅さんの3人が作文を朗読。戦争を体験した祖父の話を聞き、島内に残る防空壕などを見て回ったという東さんは「平和な暮らしは戦争という暗い過去から、たくさんの苦労の末にあるものだと考えるようになった」と話した。
田代さんは、修学旅行で訪れた長崎原爆資料館でのエピソードを紹介。一人の少年が亡くなった赤ん坊を背中に担いで立っている写真を見て「なぜ子ども達が犠牲になったのか。戦争に疑問と怒りを覚えた」と述べた。さらに、現在の世界情勢に触れて「この世の中は完全に平和な道に進んでいるとは思えない。本当の平和について話し合えばきっと和解できるはず」と訴えた。
参列者は慰霊碑に菊の花を捧げ、平和への誓いを新たにした。