育児しながら働くため、職場環境などについて企業側と意見交換する参加者
子育てしながら働きたい女性と、新たな人材を確保したい企業をつなぐマッチングセミナー「ジョブカフェ」(奄美市主催)が14日、市役所であり、育児中の女性ら17人と市内の13事業所の関係者らが参加、仕事内容や働き方などについて情報交換した。
同カフェは、出産や育児などで離職した女性や、育児をしながら働きたいと考える女性の支援し、人手不足に悩む企業とのマッチングを図る目的で、今回が2回目の開催。昨年度は24人が参加、うち5人の就職につながった。
この日は医療、介護事業所やホテル、食品の製造、販売、家電販売などの事業所が看護や介護、営業、製造、販売、清掃業務などの職種で人材を募集、4~5人ずつ4グループに分かれ、それぞれの仕事内容や勤務形態などについて意見交換した。
参加した女性らは「子どもが体調を崩した場合、仕事を休むことができるのか」「短時間勤務が可能か」など、子育てと仕事の両立を不安視する意見などがあり、企業側からは「子育てしながら働いている女性も多い。同じ立場だからこそ互いに支え合える職場環境ができるので大丈夫」など、女性の働く意欲を後押した。
元看護師で出産、育児のため約7年間、仕事を控えていた同市名瀬大熊の池之上沙織さん(38)は、「ジョブカフェの存在を知り、仕事をしてみたくなった。職種にこだわりはなく、子育てしながら働ける職場が見つかればうれしい」と話し、同市名瀬塩浜町の女性(39)も「3カ月の子どもを抱えていて、仕事が見つかるか不安もあったが、子育てしながら働いている人たちがたくさんいることが分かって安心できた」と笑顔を見せた。
講演会もあり、経営コンサルタントの前田匠さんが、女性活用で業績をアップさせた企業の実例などを紹介。「出産や子育てなどに配慮するのは当たり前のこと。社員の犠牲の上に成り立つような会社は成功しない。社員の幸せを第一に考える企業でなければ、会社は成長しない」などと話し、女性の社会進出や産休、育休を特別視しない社会環境の必要性を指摘した。