離島医療のやりがいや自身が院長を務める隠岐島前病院の取り組みについて講話した白石院長
「ベスト尽くし安心提供」
隠岐島前病院院長が講話 医師ブロック制など工夫紹介
第12回「地域医療シンポジウムin奄美」(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科離島へき地医療人育成センター主催)が22日夜、奄美市名瀬市塩浜町の大島郡医師会館であった。隠岐広域連合立隠岐島前=どうぜん=病院=島根県=の白石吉彦院長が講師として立ち、「『離島医療はおもろいで!』~地域医療の仕組み作りから外来超音波診療まで~」のテーマで講演。自身が同院で取り組んだ働き手が絶えない地域に根付いた病院づくりについて語った。
同シンポは徳之島町の宮上病院、与論町のパナウル診療所へも中継された。メイン会場の同会館には医療関係者のほか、一般・高校生らを含めた約40人が参加した。
講演内で白石院長は院長就任後、非常勤専門医の離職に対応するために取った総合診療医の複数体制や、各離島診療所と連携して医師がローテーション勤務する医師ブロック制など、功を奏した工夫を紹介。また、外来診療への超音波(エコー)検査機器導入について、整形外科医でない総合診療医も運動器疾患の治療にあたることができるなどのメリットを解説した。
このほか、包括ケアセンター担当者やケアマネージャーなどを交えての会議や、病棟ナースによる退院後訪問など同院のさまざまな取り組みを挙げ、「かかりつけ医がいて、なんでも相談できる状態の人が安心している。それは安全ではないが、今できるベストを尽くす安心を提供したい」。離島医療のやりがいについては、「自分のした処置への患者さんから答えを教えてもらえる。辛い部分もあるが臨床医を圧倒的に伸ばしてくれる」とした。