「結とも」養成講座

認知症高齢者等支援ボランティアの養成講座で講義する稲医師(右)

「地域でのケア大事」
講座通し認知症について理解
名瀬地域包括支援センター

 名瀬地域包括支援センターは23日、奄美市名瀬の市役所会議室で認知症高齢者等支援ボランティアの「結=ゆい=とも」養成講座を開いた。一般からボランティア活動に興味ある人など34人が受講。認知症に関する講話を通し、認知症について理解を深めた。受講者に「結とも」の事業説明があり修了証が授与され、「結とも」への登録が呼び掛けられた。

 開会行事に続き同センター担当者が、市の現状と認知症施策を説明。「認知症は予測を超えた増加を見せている。少子高齢化の進む奄美市でも何らかの施策が必要。認知症対策となる介護予防と生きがいづくりができるまちづくりに取り組んでいきたい」とした。
 稲医院の稲源一郎医師が「認知症に学ぶ」の題で、認知症の症状と治療などを講義。「認知症は老化に
よるもの忘れと違い、記憶が抜け落ちてしまうので思い出すことは困難。早期の診断と介入が必要になる」と説明した。

 稲医師は、「軽度認知機能障害(MCI)の人を、地域で見つけて地域全体でケアする取り組みが重要」と指摘。「認知症を診断する場合、その人の経過を診る必要がある。『様子が変わった』と気付くのは家族など。家族などの情報も重要になる」と語った。

 認知症への対応に、地域全体での捉え方を提言。「地域を『超個体』として一つの生きもののように考えるべき。その中に暮らしている認知症の人や障がい者と、共に歩んで行かなければならない。エイズはモラルが問われる病気だが、認知症は地域が問われる」と結んだ。

 そのほか、認知症のケアや認知症の人の家族の思いなどの講話が行われた。