奄美大島生物多様性地域戦略

中間評価案などを協議した奄美大島生物多様性地域戦略改訂にかかわる専門委員会

「地域の主体性確保必要」
中間評価案など協議

 奄美大島5市町村で構成する奄美大島自然保護協議会(事務局。奄美市プロジェクト推進課)は24日、市役所第2委員会室で奄美大島生物多様性地域戦略の改訂にかかわる専門委員会を開いた。有識者で構成された委員会で、同戦略の中間評価や必要な改訂などを協議した。委員からは観光客増を自然保護につなげる好循環の実現や、遺産センター(仮)に自然と協調してきた歴史を学べる学習機能を求める意見などが挙げられた。

 奄美大島5市町村は2015年3月、島内における生物多様性の保全と持続可能な利用に関する総合的な同戦略を策定。50年後にあるべき奄美大島を想定し、1自治体としてではなく複数の自治体がまとめたもので全国初の試み。

 19年度が策定5年後となることから、同委員会は中間評価と必要な改訂作業に着手。委員として岩田治郎氏(前・地球温暖化防止全国ネット専務理事)、小野寺浩氏(国立大学法人 鹿児島大学客員教授)、服部正策氏(国立大学法人 東京大学医科学研究所奄美病害動物研究施設 特任研究員)、本田勝規氏(独立行政法人 奄美群島振興開発基金理事長)の4人を委嘱。この日の会議に29人が出席した。

 小野寺氏が議長となり議事を進行。事務局が配布資料に基づき、改訂の方向性などを説明し項目ごとに質疑が行われた。

 改訂する同戦略では目指す姿として、「各地域において、世界的にも貴重かつ特殊である濃密な自然環境と文化のつながりが保たれ、またそれらを最大限に守り生かしつつ、島内外との交流を通じた新たな魅力・成長機会が生まれ続ける島」を設定。出席者からは中間評価案などに、「具体性が見えるように」や、「観光が好転することで、自然保護も進むという積極的表現を入れては」、「世界遺産に登録されたら観光客の倍増もあり得る。地域が主体性を持ち対応に取り組むことが重要でないか」などの意見が出された。

 今回の意見を改訂作業に反映させ、来年1月下旬に第2回委員会を開く予定。