確実な世界自然遺産登録実現を

佐藤ゆかり副大臣に要望書を手渡す伊集院会長ら

市町村会・議会議長会
関係省庁に要望 奄振概算要求満額確保も

【東京】奄美群島市町村長会(会長・伊集院幼大和村長)と奄美群島市町村議会議長会(会長・福地元一郎与論町議会議長)は28日、2020年度の奄美群島振興開発事業関係予算等に関する要望活動を行った。活動は自民党奄美振興特別委員会(委員長・尾辻秀久参院議員)や、環境省・国土交通省に実施。環境省では世界自然遺産登録の確実な実現に向けて、佐藤ゆかり副大臣に要請。佐藤副大臣は「気を抜くことなく詰めを行っていきたい」と応じた。

20年度に向けた中央要望のポイントは、①確実な世界自然遺産登録に向けた取り組みについて②奄美群島の自立的発展に向けた振興開発の推進について③独立行政法人奄美群島振興開発基金の機能強化について―など。

要望書では①について、地元市町村へのきめ細やかな情報提供、環境への影響が懸念されるエリアの利用調整などに対する積極的な支援などを要求。②は奄美振興交付金の概算要求満額(28億4800万円)の確保を要求。特定重点配分対象事業に関して、▽地域文化発信を通じた観光客来訪促進▽スポーツ合宿誘致を通じた産業振興▽ICT利活用による産業振興と人材育成―などに関する予算確保を盛り込んだ。③では融資条件優遇や限度額見直しなどの制度拡充に必要な支援などを求めている。

午前中には、同委の尾辻委員長と事務局長の金子万寿夫衆院議員に要望し、意見交換会を実施。世界自然遺産についてイノシシなどの害獣問題について触れる意見があったほか、10月からの消費税率引き上げによる住民負担軽減の検討を求める声も。また奄美群島振興開発基金の機能強化について、融資条件が低く利率が高いことなどの意見も出た。

尾辻委員長は「満額回答得られるように頑張る」。金子事務局長は「世界自然遺産登録については対応できるように関係省庁と県や地元と連携を」とした。

環境省では、伊集院会長が「IUCN(国際自然保護連合)の現地調査では、地元も環境省ともども対応を行った」とし、「登録に向けて確実な予算立てを」と要望。佐藤副大臣は「来年度の予算については、全力を尽くし努力したい」と答えた。

要望団はこの後、環境省の鳥居敏男自然環境局長、国交省の坂根工博国土政策局長らに要望活動を行った。