徳之島地区4Hクラブ 農業プロジェクト発表

畜産経営後継者を目指す「牛飼い女子」の心意気の発表も(徳之島地区青年農業者会議)=26日、徳之島町

「牛飼い女子」の心意気も

 【徳之島】徳之島地区青年農業者会議(同地区農業青年クラブ連絡協議会主催)が26日夜、県徳之島事務所会議室であった。畜産経営の後継者を目指しUターンした「牛飼い女子」の思いや、新規品目シマアザミの安定生産、中耕・培土(ハカマ処理など)のサトウキビ株出し管理機(スクープ)の作業体系の実証、視察研修報告など会員4人が発表。先輩や関係機関の質疑も交え親睦を深めた。

 営農に関する日ごろのプロジェクト活動の成果の発表、相互検討などを通じ農業青年(4H)クラブ員の資質向上などが目的。3町会員や関係機関・団体、指導農業士など約30人が出席。地区連絡協の山田裕樹会長は、今夏の同連絡協50周年記念行事への協力に感謝しつつ「プロジェクト発表を参考に、経営の発展に生かして欲しい」と呼び掛けた。

 発表ではまず、関西での幼稚園教諭から昨年Uターン、家業の畜産経営法人(現在生産牛約160頭・育成牛約40頭)の後継者を目指している田畑奈々さん(25)=伊仙町=が「私が今、思うこと」で発表。「大人になって都会に住み、島に帰るたびに心の癒しになり、私はこんな素晴らしい所で生まれ育ったのかと感じた。今ではとても誇れる場所、この徳之島を農業で盛り上げたい」と動機を紹介。

 「牛飼い女子」としてファッションショーでランウェイを歩き全国に鹿児島黒牛をPR。昨年は人工授精士と大型トラクターの免許も取得した。「1人では出来ないことも、みんなで力を合わせれば何だってできる。その場所がこの4Hクラブ」。両親との肉用牛経営の目標は「300頭を目指し、徳之島市場から良い子牛が出るよう、常に向上心を忘れずに頑張りたい」と笑顔を輝かせた。

 続いて、牧山竜太さん(徳之島町)が「シマアザミの安定生産に向けて」、木場悠将さん(同)が「スクープを用いた株出し管理作業体系の検討」と題しプロジェクト発表。シマアザミの10㌃当たり所得金額は約12万円で、課題に計画的播=は=種・ほ場選定・雑草対策・地力維持などを挙げた。県農業総合開発センター徳之島支場と農機メーカーが開発した「スクープ」は、シンプルな構造ながら収穫機ハーベスタの踏圧耕土の表面を切り裂き中耕・水抜き・枯れ葉(ハカマ)の埋め込み―など作業を一挙にスピーディーに省力処理できることも紹介した。