キビ交付金130円増の1万6860円

サトウキビの生産者交付金は2年連続引き上げが決まった(資料写真)

 

 

増税で生産コストの高騰対応
引き上げ2年連続

 

 農林水産省は4日、2020年度(20~21年期)サトウキビ・でん粉原料用カンショにかかわる生産者交付金の単価を政府与党に説明して了解を得た。キビ農家に支払われる1㌧当たりの単価は、前年産より130円増の1万6860円。引き上げは2年連続。10月の消費増税に伴う生産資材の値上がりなど生産コストの増加分を補う対応が取られた。

 「砂糖およびでん粉の価格調整に関する法律」に基づき、安価な輸入品から徴収した調整金を主な財源に、国産品の生産者・製造業者に対し、生産・製造コストと販売額の差額相当の交付金を交付する価格調整制度を適用。同法に基づき、20年産の生産者に対する交付金単価を決めたもの。生産費から販売価格を差し引いた額として算定している。

 20年度交付金は、同日午前に開かれた自民党の野菜・果樹・畑作物等対策委員会で決定した。増額は、環太平洋連携協定(TPP11)の発効を踏まえて210円増額した19年産に続いて。

 消費税への対応では、今年10月にも来年3月まで半年分のコスト増加対策として1㌧当たり100円を増額していた。これにより今回の増額は、残る4~9月の半年分の生産コスト増加分を盛り込んだものとなる。

 甘味資源作物の生産振興対策でサトウキビに関しては、▽土づくりや優良品種への転換などの取り組み、農業機械などの導入、生産基盤の整備など産地の生産性向上の取り組みや病害虫の発生に備えた予防的な取り組み支援▽自然災害からの生産回復等を支援するためのセーフティネットとして「さとうきび増産基金」の予算を引き続き確保▽鹿児島県および沖縄県における砂糖製造業の働き方改革を実現するため、省力化等の施設整備支援―を掲げている。

 2年連続引き上げのサトウキビ交付金単価について、自民党の金子万寿夫衆院議員=鹿児島2区選出=は「増税により生産資材などが高騰している中で対策がとられることで、農家のみなさんも納得できるのではないか」と語るとともに、増産基金の予算も引き続き確保されることから「単収アップ・糖度アップ・面積アップに向けて、特に土づくりなどの基本技術励行に努めていただきたい」と呼び掛けている。

 なお、交付金の単価は、糖度が13・1度以上14・3度以下のサトウキビに適用される。13・1度未満の場合は、0・1度下回るごとに100円を、この単価から差し引いた額に。14・3度を0・1度上回るごとに100円を、この単価に加算した額となる。