消失灯台復旧へ新灯塔設置

新灯塔の設置作業を行う施工業者ら

第十管区海保
年内の運用開始目指す

 第十管区海上保安部は10日、昨年の台風24号で消失した奄美市名瀬港西防波堤灯台復旧に向けた「新灯塔」設置作業を行った。高さ4・36㍍、直径0・45㍍、重さ400㌔で、土台はコンクリートで固める方式を採用し強度を確保。今後は灯器や太陽電池などを設置し、年内の運用開始を目指す。

 新灯塔は、昨年9月30日に消失した通称・赤灯台に替わるもので、現在の基準に沿って規格・設計。赤塗色で本体素材にはFRPを使用し、土台は前灯台がボルトの腐食に伴い破断したことを踏まえ、本体先端部をコンクリートに埋め込む「打ち込み式」にした。

 撤去から設置までの総事業費は2100万円。今後は23日以降に予定の灯器設置などを経て運用を開始する。

 この日は、午後から施工業者らが設置作業を開始。船で運搬した新灯塔を洋上からクレーンで釣り上げ、防波堤に新たに整備した土台に据え付けた。

 同部交通部企画課・段村健吉課長補佐は「昨年9月に倒壊以来、ようやく復旧が見込める所までこぎつけた。今後も適切に利用し、安全な航海を続けていただきたい」と話した。

 なお、灯器については、灯色は赤、毎4秒に1せん光、光達距離は約9・2㌔(前6・5㌔)。主電源には太陽電池を使用し、夜間は光センサーが感知してLEDライトを点灯する。