助け合い・支え合い学習交流会

地域福祉における住民参画の重要性などを説いた新崎教授

「提案型福祉、共生社会の鍵」
大教大・新崎教授が講話「我が事・丸ごと」解説も

 みんなでつくる「地域包括ケア」学習交流会実行委員会(実行委員長・八田冷子鹿児島純心女子大学教授)主催の「助け合い・支え合い交流会in奄美大島」が10日、奄美市名瀬の集宴会場であった。大阪教育大の新崎国広教授が講師として立ち、「孤立を生まない地域づくりのために」のテーマで講演。共生社会実現に向けて「我が事・丸ごと」の考え方や、地域福祉への住民参画の重要性を訴えた。このほか、活動紹介や意見交換なども行われた。

 県生活協同組合連合会(生協連)は2014年度に地域支え合い委員会を設置し、地域包括ケアの学習や生協の役割強化を図ってきた。その一環として、学習交流会を企画。県内生協、県社会福祉協議会、関係団体が中心となり、16年10月に第1回学習交流会を実施。今回が4回目で、奄美群島内では初開催だった。

 この日は島内の幅広い福祉関係者ら約180人が参加。新崎教授は、福祉ニーズの多様化により、専門職のみでは対応できない現状を紹介し、社会的孤立を防ぐ地域づくりには、▽公助▽共助・近助▽自助―の協働が必要と説明とした。

 地域住民が一体とななり、行政や専門職が縦割りを排した状態で地域福祉に取り組む「我が事・丸ごと」の考え方も解説。こうした考え方の中で求められる、住民が参画し行政や専門職に要望も行う「提案型福祉」について、「これからの福祉は汗もかくけど、口に出す。これが共生社会の大きな鍵となる」。また、助けた側も自身の役割を実感できる「相互実現型自立」の重要性も語った。

 事例報告では、生協コープ鹿児島や鹿屋市社会福祉協議会に加え、龍郷町秋名の支え合い活動の紹介もあった。