復帰運動の歴史学ぶ

元野さんの日本復帰運動に関する講話に耳を傾ける児童ら

伊津部6年生、25日の集い前に
潮鳴会顧問の元野さん講話

 奄美市名瀬の伊津部小学校(末吉正承校長、226人)で20日、奄美群島の日本復帰運動について学ぶ授業があり、6年生児童40人が、終戦後に日本から分離された奄美群島で復帰運動に取り組んだ先人たちに思いをはせた。

 児童らは25日の「日本復帰記念のつどい」に参加する予定で、米軍統治下にあった奄美の人々の暮らしや復帰運動について学ぶため、復帰運動の継承活動などに取り組む同市の潮鳴会顧問で市議の元野景一さん(72)から、当時の奄美の人たちの思いや取り組みなどを聞いた。

 1953年12月に日本復帰を果たした当時、6歳だった元野さんは「なぜ奄美の人たちは日本復帰を願ったのか」と児童らに問いかけながら、「戦争によって焼け野原となった奄美で生きていくための食糧と、子どもたちに本土同様の教育を求めた結果、日本復帰を願った。そして、日本人、奄美群島民としての民族自決の誇りをかけた運動で本土復帰を成しえた」などと話した。

 元野さんは「何よりも誇るべきは、無血で復帰を勝ち取った奄美の人々の結束力。復帰運動にかかわった多くの先人が亡くなったが、運動の歴史を風化させることなく、次の時代に語り継いでいってほしい」と呼び掛けた。

 話を聞いた萩原義久くん(11)は「当時の人たちのいろいろな思いを知ることができた。25日の集いには、今日聞いたことを忘れないようにして参加したい」と話した。