発達障がい児に対する地域連携講演会

子ども達の気づきを促すことの重要性を説いた、くらしき作陽大の橋本教授

「よりよく生きる気づきを」
くらしき作陽大 橋本教授

社会福祉法人全国心身障害児福祉財団主催の、発達障がい児に対する地域連携についての講演会が21日、奄美市名瀬の奄美市役所であった。くらしき作陽大学子ども教育学部の橋本正巳教授が登壇し、「わかりやすいかかわり」のテーマで講演。保育士や放課後等デイサービス職員など約100人を前に、発達障がいを持つ子ども達に対し “よりよく生きる気づき”を促すことの重要性などを説いた。

奄美市名瀬の社会福祉法人三環舎・指定特定相談支援事業所チャレンジドサポート奄美は、同財団主催の「発達障がい幼児に対する早期支援事業」を2013、14年度に実施。連携への課題が残るとし、今年度も「発達障碍児に対する地域連携支援事業」を行い、地域支援者の連携強化を図っている。

講演した橋本教授は08年まで特別支援教育コーディネーターとして、幼稚園、小中学校を巡回指導。09年に同大学に着任し、地域貢献などに尽力している。

この日橋本教授は、自身が携わった事例などをもとに関わりのポイントを紹介。子どもたちが「僕にもできる」といった達成感・成就感を味わうことができるようにすることの重要性を指摘。また、障がいの診断名について、「何が得意なのかを教えてくれるもの」とし、気になる行動別に関わり方を解説。いずれも具体的で肯定的な説明や、見通しの提示、ルールの明確な提示などが必要という。講演の締めくくりには、「当事者じゃない人が違う視点を提示することも大切だからこそ、仲間同士の支援が必要」と訴えた。