関係者が関西空港からのピーチ初便搭乗客を出迎えた
関西国際空港を拠点とする格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーション(井上慎一代表取締役CEO)は26日、奄美大島―大阪(関西)線を就航させた。初便往復の搭乗率は78・1%、上り下り便合わせて281人が利用した。同社の奄美就航は、10月からの東京(成田)線に続く2路線目となる。
今年5月6日までLCCバニラ・エア社が運航していた大阪直行便は、7カ月半の空白期間を経てピーチブランドに引き継がれた。機材はA320―200機(180席)で1日1往復。片道運賃は4790円~(シンプルピーチ)。同社広報は年間搭乗率75~80%を掲げている。
同日、奄美市笠利町の奄美空港で初便就航セレモニーを開催。三反園訓県知事や奄美大島島内の自治体首長、観光団体の関係者が出席した。
一社・あまみ大島観光物産連盟の有村修一会長は「出身者の多い関西直行便の再開に感謝。奄美の資源開発や来島促進に貢献するピーチ社の取り組みに期待したい」と述べ、年末にそろい踏みした、首都圏と関西圏を結ぶLCC路線の就航体制を祝った。
井上CEOは「世界自然遺産登録を目指す奄美の魅力は『楽しみながら学ぶ島々』。このテーマを発信し、今後の入込促進につとめたい」とあいさつ。また九州地域のLCCマーケットの将来性を踏まえ、「中国などアジア圏に近く、鹿児島・奄美を含む南九州は特にポテンシャルが高い」とし、奄美を足掛かりにした県本土就航に意欲を見せた。
午後4時過ぎに奄美に到着した下り便は満席。到着ゲートでは、井上CEOほか関係者が到着客にレイをかけて歓迎した。
今回、銀婚記念で訪れた和歌山県の安藤定次さん(66)・佐登美さん(58)夫妻は「関西から奄美が近くなった。安さを維持してもらえたら引き続き利用したい」と笑顔。
来春、奄美市内で就職する大阪府の木下優理さん(19)は住居の下見目的。「連休などで帰省がしやすい」、母・理架子さん(45)は「関西直行LCCがいままで終了していたので、(再就航は)ありがたい」とそれぞれ話した。
上り便は午後4時50分ごろ出発。出発客にも記念品が手渡され、定刻通り関西空港に向かった。