目視の観測、自動化へ

施設所屋上で目視で雲の様子や視程を確認する名瀬測候所職員

 

 

名瀬測候所 来年2月3日から
「快晴」「虹」など消滅

 

 福岡管区気象台は25日、名瀬測候所をはじめ管内7カ所の地方気象台・測候所での職員による目視の気象観測通報を終え、来年2月3日から気象レーダーや衛星などによる自動観測に切り替えると発表した。観測技術の進展に伴いデータの均一性などを高める狙いがあり、今後、効率化を進めることで、職員は自治体の防災対応を支援する業務にも力を入れていく。

 切り替え対象は名瀬測候所のほか、下関、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎の6地方気象台。福岡管区気象台と鹿児島地方気象台は今後も目視による観測を続けていく。

 目視観測では、職員が3時間ごとに「晴れ」や「曇り」など15種目の天気で記録してきたが、自動観測移行後は6種目が減り、気象衛星や観測機器のデータを組み合わせて記録していく。

 具体的には、晴れ、曇り、雨、雪、みぞれ、霧、もや、煙霧、雷の9種目の天気と視程が自動観測となり、「快晴」は「晴れ」、「薄曇」は「曇り」となるほか、あられやひょう、黄砂や風じん、虹や雷鳴などの大気現象、雲量・雲形がなくなる。

 福岡管区気象台は、「気象レーダーや気象衛星などによる観測を利用して、総合的に大気の状態を把握することが可能になったため」と移行の理由を説明。名瀬測候所は「今後自動観測へ移行するものの、職員のスキルをはじめ予報作業や防災気象情報の提供には、常日頃の目視観測は欠かせないものと考えている」と話した。

 なお、初霜、初氷、初冠雪は従来通り記録し、警報などの発表に関わる実況監視は、移行後も職員が目視で観測。統計データは移行後に順次、新たな記録方法に変更していく。

 詳しくは、気象庁や同地方気象台、名瀬測候所などのホームページで確認できる。