着陸のJAC機、滑走路逸脱

着陸後、草地に入り自走できない状態となったJAC機(午後0時半ごろ、奄美空港)

奄美空港
けが人なしも37便欠航 重大インシデントに認定

8日午前、同市笠利町の奄美空港で、喜界島発奄美大島行き日本エアコミューター(JAC)の航空機が着陸後に滑走路から逸脱するトラブルが発生した。強風の影響を受けたとみられる。同事案によるけが人はいなかったが、トラブルにより同空港滑走路が閉鎖。同日同空港を離発着する航空便37便が欠航する事態に陥った。午後7時半現在、JAC側がクレーンにより機体をけん引し移動させる作業を始めており、滑走路復旧を目指しているが、具体的な目途は立っていない。

トラブルを起こしたのはJAC3830便(ATR42―600、48席)。同便は午前9時49分に喜界空港を離陸し、同10時1分に奄美空港に着陸。着陸後に滑走路を外れ滑走路横の草地で停止し、自走できない状態となった。

同機には乗客18人に加え、運航乗務員2人、客室乗務員1人の計21人が搭乗していたが、けが人はなく機体に装着されているステップで降機。バスで空港ターミナルビルまで移動した。

JACによると、機体に大きな損傷は確認されていないが、前方の車輪が滑走路脇の地面にはまり込んだ。また県港湾空港課によると、空港施設や滑走路にも損傷はなく、機体移動が完了し次第、再開できるとのことだが同日午後7時半現在、同課は「作業は続けられているが、見通しについてはまだ何も言えない」としている。

福岡航空地方気象台によると、同空港では午前10時2分に最大瞬間風速20・1㍍(北西)を観測。トラブル後の滑走路閉鎖により、同空港離発着の11路線37便が欠航。このうち3便は離陸した空港に引き返した。

国土交通省は、同事案を一歩間違えれば事故につながりかねない「重大インシデント」に認定。同省から通報を受けた運輸安全委員会は調査官3人を指名。滑走路が再開すれば9日、調査官が現地入りし原因究明と再発防止に向けた調査を行うとしている。