大雨時の氾濫・洪水など不安が絶えない「寄り洲」(堆積土砂)の除去を直訴する住民代表ら=10日、徳之島町亀津「大瀬川」
【徳之島】「大雨や台風、満潮時のたびに水位が上がり、命の危険にさらされている」―。徳之島町亀津の北、中区両自治会長は10日、県大島支庁徳之島事務所に対し、同市街地を流れる「大瀬川」(県2級河川)の氾濫・水害防止のための寄り洲=す=(河床堆積土砂)除去事業の早期化を直訴した。担当課は2020年度予算の前倒し発注による梅雨時期前までの実施方針を示した。
亀津中学校沿いの亀津市街地を縦断する大瀬川。河床の一部は、大量の土砂など堆積物で寄り洲が形成され雑草が密生。そのペースも早い。大雨のたびに同河川沿いの住民たちは増水氾濫の不安にさいなまれている。
最近では昨年7月、梅雨前線に伴う局地的な大雨(4時間雨量95㍉)によって町側が住民に自主避難を呼びかけた。14年6月には亀津中の校地が冠水して全校生(当時167人)が体育館に避難したケースも。
氾濫防止の「寄り洲」除去事業の早期実施を直訴したのは亀津北区自治会長の幸多勝弘区長と中区同の西川美枝子区長、幸千恵子町議ら3人。幸多区長らは「毎年大雨が降るたびに赤土が流れ込んで水位が上昇、台風や満潮時は命の危険にもさらされている」。除去事業は「予算が付いたからと年度末ではなく、台風が襲来する5月までに実施を。ここは(被害発生)想定内の河川。対策状況や計画も住民に広報すべき」などと要望した。
同事務所建設課の担当者は堆積土砂の除去は毎年、予算に応じて実施。現在の寄り洲除去事業については、ゼロ県債など20年度事業を前倒して「3月末までに契約、梅雨時期までに対応をしたい」。防災減災・安心安全への対策・計画など情報提供は「町とも協議して行う必要がある」などとした。
ちなみに「徳之島地域の県管理河川等における水防災意識社会再構築協議会」(県主催)では18年3月、「寄り洲の除去」や「水害リスクなどホットラインの構築」(大瀬川)、洪水ハザードマップの作成・周知―など5年間の方針を定めている。