リュウキュウマツに薬剤注入

リュウキュウマツに薬剤樹幹注入する作業員=9日、龍郷町瀬留―久場間の県道沿いにある「ふれあいパーク瀬留」内

松くい虫防除対策の一環 森林組合作業
奄美大島の市町村で

 奄美大島の市町村では、松くい虫防除対策の一環で、2019年度にリュウキュウマツへの薬剤樹幹注入を計画。市町村から作業委託を受けた「あまみ大島森林組合」担当者によると、今月7日以降、宇検村、大和村、龍郷町、奄美市名瀬地区での作業を順次計画し、「喜界町での作業も予定しているが、日程は未定」としている。

 龍郷町では9日から2日間の日程で作業を開始。今回は大勝、中勝、瀬留(「浦の橋立」のリュウキュウマツを含む)、久場の4地区で作業計画。9日午前中は、あまみ大島森林組合のメンバーが、瀬留―久場間にある「ふれあいパーク瀬留」内で、リュウキュウマツへの薬剤樹幹注入作業を行っていた。

 町農林水産課によると、106本に薬剤樹幹注入を予定。「2019年度県森林環境税関係事業(里山林総合対策事業・マツへの薬剤の樹幹注入)」の補助金交付で計画。全体事業費見込みは、321万円余り(うち補助金額は、70%の224万8千円)。

 2年間隔で薬剤樹幹注入を計画。18年度は浦、久場の2地区で実施した。

 龍郷町役場から「浜千鳥館」に至る国道58号沿いにあるリュウキュウマツの並木は「浦の橋立」と呼ばれる。きれいなリュウキュウマツが並び、左側に龍郷湾、右側に「とおしめ公園」、マングローブがあり、風光明媚(めいび)な地として知られる。「ふれあいパーク瀬留」内にもきれいなリュウキュウマツが並ぶ。

 1990年代に瀬戸内町加計呂麻島で松くい虫被害による松枯れが確認されて以降、奄美群島各地に被害が拡大。2010年度には群島全体の松くい虫被害量は、8万8076立方㍍にまで増加したが、その後、伐倒駆除、枯損木対策(マツの除去)、薬剤樹幹注入などの駆除対策を進めた結果、被害量は年々減少している。県大島支庁林務水産課がまとめた18年度被害状況は、ほとんどが徳之島の被害で、1万2900立方㍍に減少。奄美大島では、瀬戸内町4立方㍍、龍郷町2立方㍍で、その他の市町村はゼロ。