小銃を携行し、迷彩服で行進する奄美警備隊の隊員(龍郷町円集落内)
隊員100人が30㌔完歩 小銃携帯し、迷彩服で
陸自奄美警備隊
陸上自衛隊奄美警備隊(奄美駐屯地)は24日、奄美市、龍郷町内で徒歩行進訓練を行った。駐屯地外での訓練実施は初めて。平田浩二警備隊長と隊員約100人は隊列を組み、公道や山地など計30㌔のコースを同日完歩した。
有事に備え、道路・地形の把握や隊員の行進能力向上が目的。陸自によると、道路が寸断された孤立エリアや目的地への移動などから基本的訓練の一つ。昨年3月に開所した奄美駐屯地からの初行進訓練として報道陣に公開した。
この日は同町秋名集落を起点に、県道から林道を抜けて同市名瀬大熊地区の駐屯地に戻るコースで行進。迷彩服を着た隊員は弾を装?=そうてん=していない小銃を携帯。リュックを背負いながら、約10時間かけて夕方までに駐屯地に到着した。
今回のルート設定は住民や交通への影響に配慮し決定。道中通過する行政機関には日程や訓練内容を事前に通達しているという。
集落沿道では隊列を一目見ようと見物に現れる住民の姿も。70代男性は「自衛隊の基本訓練として十分理解できる」と話し、行進を見送った。
一方、市民団体「戦争のための自衛隊配備に反対する奄美ネットワーク」の城村典文代表は「駐屯地開設から1年も経たず、市街地訓練が展開された」と危惧する。不安定な世界情勢に触れ、「戦争を想起させる訓練は駐屯地内にとどめてほしい」と述べた。
行進訓練の見通しについて、同警備隊広報は「現在予定はない」としている。