大島海峡・集落景観堪能

関係者らによるテープカットで開通を祝福

大島海峡を一望するコースを歩く参加者ら

トレイル開通式 瀬戸内町で
「歩くことで自然・文化感じて」

 「世界自然遺産奄美トレイル」(瀬戸内町(本島)エリア)の開通式(県・瀬戸内町主催)が26日、同町の清水総合体育館であった。関係者らがあいさつ後にテープカットを行い、開通を祝福。その後は集まった約160人がコースの一部をウォーキング。大島海峡を一望するダイナミックな景色や、ゆったりとした時間の流れる集落の景観を堪能した。

 奄美大島・徳之島が目指す世界自然遺産登録にちなみ、県は2016年から奄美群島各島をつなぐ自然歩道(トレイルコース)の選定をスタート。瀬戸内町は本島(奄美大島)側、加計呂麻・請・与路3島側の2地域に分けてコース選定を実施。それぞれ住民参加のワークショップ形式で行い、地域の名所などを盛り込んでいる。本島側4コースがこの日開通。加計呂麻・請・与路は現在選定中で新年度に開通する。

 開通式で県環境林務部の村山浩美次長は、「奄美を訪れる多くの人に歩くことで、魅力ある自然や文化を感じてもらいたい」とあいさつ。また、鎌田愛人町長は「訪れた人々に町民との交流を深め、独自の豊富な資源を体験してほしい」とした。

 テープカットなどの式典終了後、節子・阿木名・ホノホシ海岸コース(19・7㌔)のうち、同体育館から清水集落を抜け、マネン崎展望台を折り返すコース(約4㌔)を参加者全員でウォーキング。終盤はあいにくの天気となったが、清水集落内の牧歌的な風景や、雄大な大島海峡を望む崖沿いの道、嘉鉄集落沖の目に鮮やかなサンゴの海などコースに散りばめられた魅力を思い思いに楽しんだ。

 この日、家族や指導するスポーツ少年団の子ども達と参加した同町阿木名の山下智之さん(33)は「意外と坂が多かったが、途中に神社があるなど、歩いて初めて知ることもあった。トレイルコースを訪れる人にも瀬戸内の海の美しさを感じてもらいたい」と話した。

 同町(本島側)エリアの各コースのコース名は次の通り。
▽A「節子・阿木名・ホノホシ海岸コース」(19・7㌔)▽B「古仁屋・高知山・油井岳・小名瀬コース」(14㌔)▽C「篠川・久慈・花天コース」(15・8㌔)▽D「管鈍・西古見コース」(6・9㌔)