歯科口腔保健推進会議

歯科保健の現状報告や関係機関の取り組みなどを協議した

正しい情報でフッ化物洗口啓発
1歳6カ月児のむし歯ない割合改善

 2019年度地域歯科口腔保健推進会議が30日、奄美市名瀬の奄美会館であった。県歯科口腔保健計画の中間評価や名瀬保健所管内の歯科保健の現状報告があり、19年度の各市町村や関係機関の取り組みなどを協議した。フッ化物洗口について、正しい情報を広めて啓発し保護者の理解が深まる取り組みが必要とする提言があった。

 県歯科口腔保健計画は13年に、「口腔の健康の保持・増進に関する健康格差の縮小」を基本理念に、▽歯科疾患の予防・口腔機能の維持向上▽定期的に歯科検診または歯科医療を受けることが困難な人に対する歯科口腔保健の推進▽医科歯科連携・多職種連携の推進―などの施策を定めている。事務局は「中間評価では全指標21項目のうち、66・7%にあたる14項目が改善傾向にあるとし、順調な計画推進が図られている」と説明した。

 管内の1歳6カ月児のむし歯のない者の割合は、98・6%(前年度比2・3?増)で県平均の98・2%を上回るまでに改善。3歳児のむし歯のない者の割合は、75・6%(同3・0?増)だったが、県平均の81・2%を下回る結果だった。

 フッ化物洗口に関して、奄美大島5市町村の保育園では全施設で100%の実施率。管内全体では保育園(84・2%)、幼稚園(20%)、小学校(8・5%)、中学校(7・1%)にとどまる。

 学校におけるフッ化物洗口の推進については、奄美市内のモデル校(小学4校・中学2校)から開始されているが、それ以外の学校に広まっていない。大島郡歯科医師会(町田慶太会長)からは、「フッ化物洗口の正しい理解がされていない。フッ化物洗口の安全性を保護者に丁寧に説明し、取り組んでいくべきだろう」との意見が出された。

 このほか各世代に応じた施策の説明や、各世代での課題について意見交換が行われ、委員からは「40歳、50歳の歯周病検診の受診率が低い」「受診勧奨するが、なかなか受診率が上がらない」など問題が挙げられ、松岡洋一郎名瀬保健所長は、「(医科歯科連携に)かかりつけ歯科医を持ち、定期的に歯科検診を受けられる環境づくりの働きかけをお願いしたい」と話した。