大和小児童、黒糖づくりを体験

煮詰めたキビ汁をかき混ぜる児童ら

黒糖の甘さに笑顔あふれる
自分たちで育てたサトウキビから

 大和村の大和小学校(大江修校長、児童26人)は30日、同校で黒糖づくり体験を行った。小学3・4年の児童が参加。地域の老人会に指導を仰いで、自分たちで育てたサトウウキビからキビ汁をしぼり、鍋で煮詰めて出来上がった黒糖に笑顔を見せた。

 サトウキビ発祥の地である同村への理解を深めるため、授業は総合的な学習で実施され今年4年目。材料のサトウキビは児童たちが昨年に植えて育てたものを、29日に刈り取り準備した。

 校舎裏にあるサトウキビ畑から、今年は昨年の倍近くになる285本を収穫。指導に当たった思勝老人会の赤井貞文さん(88)は、「サトウキビは台風被害もなく順調に成長して、昨年より長くて糖分も多いのでは」と説明した。

 児童たちは刈り取ったサトウキビを圧搾機でしぼり、約50㍑のキビ汁に。キビ汁はドラム缶を加工したかまどに据えた大きな鍋に入れられ、たき火で熱された。

 ぐつぐつと煮立ってきたキビ汁に、石灰を計量して投入。この日はキビ汁が多く水分が飛ぶのに時間がかかったので、石灰は2回投入して煮詰められた。

 老人会の人たちの手ほどきを受けて、児童らは煮詰まってきた黒糖を大きなヘラで焦がさないようかき混ぜ。甘い香りが一帯に漂い、他の児童も鍋を待ち遠しそうにのぞき込んだ。

 出来上がる直前には赤井さんが沸騰しているキビ汁をボウルに入れ、水で冷まして水あめ状のお菓子ヒューチザタを完成。児童たちは棒に絡めたヒューチザタを美味しそうに頬張った。何度もお代わりをして、楽しむ児童も見られた。

 3年・福本旺太郎くん(9)は、「サトウキビの皮をはいで刈り取り、洗ったりして準備した。キビ汁を煮詰めてからは、色が変わりだしてから混ぜると重かった。出来上がりはお店で売っている黒糖のような味がして、とてもおいしかった」と振り返った。