ペダル付き車いす「コギー」を無料設置

奄美パークに設置された、コギーと試乗した同施設の職員ら

 

住用の「奄美体験交流館」でコギーを試乗する様子。左が友野秀樹さん

 

足が不自由な人の大きな味方へ

 

 【東京】ペダル付き車いす「COGI(コギー)」が、昨年12月、県奄美パークに無料で設置された。奄美大島を訪れる高齢者など、足の不自由な人たちにとって大きな味方になりそうだ。空港の近くの「100円レンタカー」や奄美市住用町の「奄美体験交流館」にも用意されており、「コギーを利用することで、行動範囲が広がりそうだ」との声が上がっている。

 障がい者や高齢者など歩行が困難な人でも、足の少しの力で両足での操作が可能となる車いすコギーが、奄美大島の空港近くにある奄美パークに無料で置かれたのは昨年12月のこと。普及を目指す(一社)シンクロプラスの代表理事の友野秀樹さんが働きかけたもの。2018年ごろから普及に向けて、まーぐん広場・赤木名などに配置された。「100円レンタカー」では1日2千円で借りられ、住用の奄美体験交流館には無料で置かれている。

 奄美パークの次長兼総務課長の宮﨑剛さんは、「当施設の職員も試乗してみましたが、軽い力で動かすことができ方向転換も楽で、安全性も確認されています。奄美パークはバリアフリーですので、展望台まで行けます。ぜひ利用してほしいですね」と期待を寄せている。同パークには、通常の車いすが6台あるが、それに加わったかたち。「次の人がいなければ、時間の制限はありません」(宮﨑さん)。

 友野さんは、旧知の友人が脳梗塞に倒れたのち、栃木県の自宅に引きこもっているのを、友人のソーシャルネットワークサービス(SNS)で知り、コギーを紹介する動画を送信。コギーを取り寄せた友人は練習を重ね、自宅から2㌔先の駅まで1時間かけて移動。当時東京にいた友野さんと感激の面会を果たしたという。

 それを機に友野さんの普及への意欲も高まり、島での活動になっていったという。友野さんは「コギーの素晴らしさを広め、いずれは全国のテーマパークに広がってほしいですね」と先を見据えている。