徳之島「世界遺産の勉強会&森歩き」

老若男女約60人が参加した「世界遺産の勉強会&森あるき」=9日、天城町「剥岳林道」

老若男女60人が関心
植物相の一端に触れる

 【徳之島】環境省主催の「世界遺産の勉強会&森あるき」(NPO法人徳之島虹の会協力)が9日午前、奄美群島国立公園・特別地区であり世界自然遺産推薦・核心地域でもある亜熱帯照葉樹林の「剥岳(はげだけ)林道」であった。島民約60人が参加。同省レンジャーや専門ガイドの案内で、オキナワウラジロガシ群生地を含む植物相の一端に触れた。

 奄美大島・沖縄島北部・西表島とともに世界自然遺産候補地である徳之島の推薦地域を歩き、多くの希少動植物の存在など価値を深く知ってもらおうと計画した。家族連れの保育園児から80代まで幅広い世代が関心を示した。

 参加者たちはまず天城町三京公民館で、環境省徳之島管理官事務所レンジャーの麓良平さんから自然遺産登録の取り組みなど解説を受けて同町三京側から同林道に移動。講師には奄美の動植物に詳しいNPO法人奄美野鳥の会副会長の高美喜男さん(68)=奄美市=らが協力した。

 南西諸島最大規模のオキナワウラジロガシの同群生地域について高さんは、その日本一大きなドングリはアマミノクロウサギなども育んでいることも解説。林道沿いに自生する固有種など珍しい植物の数々を指し示し特徴なども説明。「国の天然記念物指定に匹敵する森林ばかり。今後も気軽に森歩きを楽しんで欲しい」ともアドバイスしていた。

 徳島県から徳之島に移住して約20年という蔵本正史さん(71)=徳之島町=は「一般道からは畑地造成だけが目立ち気になり、徳之島の森林自然の原風景を見たいと思っていた。森林は一度つぶすと元には戻らないので、今ある素晴らしいこの自然は守って欲しい」と話していた。

 2月15日午前10時からは、寺田仁志さん(元県立博物館主任学芸主事)を講師に天城町与名間の「寝姿山」の通称「マユンハナ」で第2弾の観察会がある。参加定員は30人。問い合わせは環境省徳之島管理官事務所(電話0997‐85‐2919。