南部町村議員大会

トンネルや道路整備の早期実現に向け、関係機関への陳情を決議した南部町村議会議員大会

登録見据えインフラ整備3件陳情へ
“癒しと魅力ある地域づくり”推進

 第38回大島本島南部町村議会議員大会(大島本島南部議会連絡会主催)が10日、宇検村の元気の出る館であった。大会宣言を採択し、道路改良やトンネル整備の早期実現など、世界自然遺産登録や防災対策、住民の安全性向上などを見据えたインフラ整備についての3議案を可決し、関係機関に陳情することを決議した。

 同連絡会会長の岡田弘通瀬戸内町議会議長は「世界自然遺産を目指す中、南部3町村は候補地の重要な構成地区。共通する地域おこしの起爆剤となり、奄美大島西回りの振興につながることを確信している。3町村の発展のためにも行政、議会、住民が共通認識を深めていくことが重要」などとあいさつした。

 3町村長、来賓によるあいさつの後に、奄美市区・大島郡区選出県議会議員の禧久伸一郎氏、向井俊夫氏、寿肇氏が県政報告。その後、同大会の宣言として、南部3町村の連携強化と施策展開による、“人と自然が共生する癒しと魅力ある地域づくり”を推進することなどを採択した。

 提案された議題は「国道58号(奄美市住用町役勝~網野子トンネル起点間、勝浦~阿木名間)の改良促進」(瀬戸内町)、「主要地方道名瀬瀬戸内線の大金久~戸円間トンネル早期実現」(大和村)、「主要地方道湯湾新村線の早期完成」の3題。提案理由の説明や県議からの助言を踏まえ、全て可決。関係各機関に陳情することを決議した。いずれの議題も世界自然遺産登録を見据えた人的・物的な交流の活発化への対応も視野に入れられた。

 禧久県議は、瀬戸内町の提出議題について、「役勝―網野子間に関しては18年度から着手しており、現時点では環境調査を行っている。勝浦―阿木名間の改良については莫大な費用が掛かるため、課題を持って検討したい」。宇検村からの議題には「要望を踏まえた中で調査し、どういった施工法が良いかなど議論をしていきたい」と助言した。

 大和村の議題に関し、寿県議は「急勾配・急カーブの区間はあるものの二車線であり、トンネル整備は大規模な工事になることから、早期の事業化は困難と、県から回答されている」とした。