徳之島・南恵会とやどかりサポート鹿児島が提携

協定を結んだ南恵会・吉留理事長(右端)と「やどかり」の芝田理事長(左端)

「住宅難民」なくしたい
家賃保証などサポート

 【鹿児島】徳之島の社会福祉法人・南恵会(吉留康洋理事長)と鹿児島市のNPO法人「やどかりサポート鹿児島」(芝田淳理事長)が「徳之島地区における地域ふくし連携型連帯保証提供事業の活用に関する協定」を結び、13日は鹿児島市の県社会福祉センターで調印式があった。

 南恵会は2017年から「徳之島くらし・しごとサポートセンター」を開設し、生活困窮者の自立支援事業に取り組んでいる。事業を通して、対象となる困窮者の中には身寄りがないために家賃保証が受けられず、ホームレスとなるような「住宅確保要配慮者」が年間5、6件ほどあった。

 「やどかり」は、生活困窮者に対する家賃保証など法的面でのサポートに07年から取り組んでいる実績があり、県内初の住居支援法人の認可を受けている。今回の協定により、南恵会の支援事業の利用者は「やどかり」による家賃保証などの法的サポートが受けられるようになる。

 「やどかり」では民間の家賃保証会社のように利用者から保証料を徴収しない代わりに、社会福祉事業者など支援者がいることが保証する条件になる。奄美群島では同種の協定を昨年10月に瀬戸内町社会福祉協議会と結んでおり、今回が2例目。南恵会も昨年11月に県内で2番目の住居支援法人の認可を受けており、支援法人同士の協定は県内初となる。

 「仕事面などのサポートは我々のノウハウがあったが、法的面のサポートまでは手が回らなかった。お互いの強みを生かして、利用者が社会的に孤立することなく、地域社会で生活していける支援をより充実させていきたい」と吉留理事長。今後は高齢化、外国人労働者の増加などによって「ますます身寄りのない人が増えてくる」(芝田理事長)と予想される。芝田理事長は「今回の協定をきっかけに、県内各地の社会福祉法人と連携し、住宅難民が1人でも少なくなる活動を広げていきたい」と話していた。(政純一郎)