発達障がい児者の支援に向けた課題を出し合った「奄美そだちサポートプロジェクト」のキックオフミーティング
奄美地区障がい者等基幹相談支援センター「ぴあリンク奄美」(大津敬センター長)は15日、発達障がい児者の支援に向け心理学の研究者グループと連携する「奄美そだちサポートプロジェクト」のキックオフミーティングを奄美市名瀬の奄美病院研修センターで開いた。鹿児島大学・九州大学所属の研究者ら5人が奄美大島内の関係機関から同島の障がい支援の課題をヒアリングし、今後の方向性決定に向けた検討材料を収集した。
同プロジェクトは、研究者らが大学や学内外の専門職ネットワークを生かし、研修会や研究成果などを地域に提供。地域課題の相談や発達支援・支援者支援の相談を受け、研究に生かすもの。すでにぴあリンク奄美と合同での支援ニーズ調査を昨年4月に実施するなどしている。
今後、研究費獲得後2年間をプロジェクト遂行期として重点的に取り組みを推進。結果に応じて次年度以降の活動を検討する形を取る。鹿児島大学大学院臨床心理士研究科の高橋佳代准教授は「子ども達が生きる地域外の大学の資源をうまく活用してもらいたい」とした。
ミーティングには、ぴあリンク奄美が参集した▽療育施設▽小学校▽高校▽指定特定相談支援事業所「チャレンジドサポート奄美」▽奄美市▽名瀬保健所―など多岐にわたる関連機関の担当者・代表者らが出席。保護者支援の必要性や、療育施設と学校の連携、一般への障がい理解の不足などの課題が多数挙がった。
出席した同大障がい学生支援センターの今村智佳子特任助教は「皆さんがすでに顔が見える関係を作って、一生懸命取り組んでいることに驚いた。多様なニーズがあることがわかったので研究者としてできることをしたい」と語った。
この日ミーティングに先立ち、研究者グループは同市名瀬和光町の児童発達支援センター「のぞみ園」を視察し、職員らと意見交換。ミーティング会場では今村准教授がぴあリンク奄美主催の研修会として、「発達障害の理解と育ちの支援」をテーマに講話も行った。