「アカツクシガモ」飛来

国内で観察できるのも珍しい「アカツクシガモ」=西康範さん撮影=

大和村の大和川周辺
国内でも数年に一度の珍しさ

中央アジアに生息(繁殖)する「アカツクシガモ」1羽が奄美大島に飛来している。大和村の大和川で西康範さんが撮影。「大和川や周辺の公園池などに昨年12月から約3カ月滞留している」(西さん)。迷鳥で、専門家によると国内でも数年に一度観察されるほど珍しいという。

NPO法人奄美野鳥の会(鳥飼久裕会長)発行の『奄美の野鳥図鑑』によると、アカツクシガモはカモ目カモ科で、全長63~66㌢。カモの中では大型になる。鳴き声は「グワーグワー」。全身が橙色で、頭部は色が淡い。雄は頸に黒い輪がある、くちばしと足は黒色。繁殖後、その一部が中国や朝鮮半島で越冬する。

日本では稀な冬鳥として主に西日本で記録が多いとされているが、奄美での観察について鳥飼会長は「2008年12月に奄美市笠利町で記録(雌1羽)されているが、確実なのはそれ以来の2回目。鹿児島県内では、ツルの渡来地として知られる出水に時々来ているが、国内でもなかなか観察されないほど珍しい」と語る。

臆病なため近づくと飛んでいくという。「50㍍ほどの距離を置いて観察してほしい。3月くらいまで滞留するのではないか」(鳥飼会長)。近くには環境省奄美野生生物保護センターがあるだけに、アカツクシガモが安心して奄美で“一時滞在”できそうだ。