新型コロナで休校措置開始

プリントを配布し、休校理由や期間中の過ごし方を伝えるなどした(2日、瀬戸内町古仁屋中学校)

期間中に家庭訪問対応も
卒業前に空白期間 中3寂しさ訴え

 政府が新型コロナウイルス対策で、全国の学校を一斉に臨時休業するように要請したことを受け、奄美群島内の5町村は2日から小中学校の臨時休校を開始した。自治体によっては休校期間中に教員が児童生徒の家庭を定期的に訪問するなどし、子ども達の学習補助や体調管理を行う。卒業式の前に大きな空白期間ができたことで、中学3年生からは寂しさを訴える声も聞かれた。

 先月28日、文部科学省は都道府県などに対し臨時休校に関して通知。県教委はこれを受け、市町村に対し通知に基づいた小中学校の休校をするように要請した。奄美群島内では▽宇検村▽和泊町▽知名町の3町村が2日から、龍郷町と瀬戸内町は同日午後から休校する措置を取った。いずれも15日までを予定。12日に予定されている中学校の卒業式は、規模を縮小し実施する方針の町村が多いが、宇検村の阿室小中学校は17日、同村田検中学校は18日に延期することが決まっている。

 いずれの町村も2月28日中に休校措置を保護者に周知。龍郷町では児童生徒に毎朝の検温と教員への報告を呼び掛けるほか、町ホームページで休校中の過ごし方を示すなどの対応を取っている。教員による家庭訪問の実施などを呼び掛ける町村もあるが頻度などは各校の判断にゆだねられている。

 瀬戸内町の古仁屋中学校(竹ノ山誠忠校長、全校生徒145人)では同日、休校理由や期間中の過ごし方を教諭らが説明。期間中は教員が各生徒の家庭を巡回訪問(平日1日1回)し、自宅での過ごし方や課題の進捗状況や体調等を生徒に確認する。同校は「働く両親の負担の軽減につなげたい。子ども達の不安やストレスの軽減にもなれば」としている。

 中3の教室では、高校入試と卒業を控えた生徒らを前に教員が「中学生として自分を律し、規則正しい生活を行うように。万が一、体調を崩した場合は必ず学校に電話するように」などと呼び掛け。このほかSNS上でのトラブルを避けるように注意を促すようにした。また3年生は卒業式まで登校日がないため、高校入試に関する情報の周知や教室内の掲示物の撤去なども行った。

 5日に入試を控える3年生の濱畑登和君は「自宅学習ということで、勉強に集中できるか不安」。また、「卒業前にもっとみんなと遊んだり勉強したりしたかったので、休校を聞いたときは最悪だと思った。悲しい」とも話した。すでに島外の高校への入学を決めている松本寧香=にこ=さんは「もっと思い出作りをしたかったので寂しい。期間中だらだら過ごさないように注意したい」と語った。