「早めの方針決定を」

16日の給食再開に向け奄美の各学校給食センターは準備を進めている(写真は奄美市立学校給食センター)

再開、各給食センターは準備
牛乳など食材確保に不安の声

 予定通りの再開か、あるいは休校延長となるか――。政府の要請を受け県が新型コロナウイルスの感染防止策として、県内公立校の一斉休校を発表してから1週間が過ぎた。授業再開は16日の予定。学校給食を提供する奄美群島の給食センターは食材手配の準備を進めているが、県本土に発注する食材もあるため関係者からは「食材の仕入れ先に迷惑を掛けないためにも、今後の方針を早めに決定してほしい」との声が上がっている。

 奄美の各学校給食センターによると、食材は地元産を中心にしているものの、生鮮食品(青果、肉、魚)の一部を島外から仕入れている。献立に欠かせない牛乳、またヨーグルトなどは県本土からフェリーで搬入されるため、配食日の2~3日前の注文となる。

 奄美新聞が取材したセンター関係者は「予定通り提供できるよう、仕入れ先との調整、準備を進めている」と回答。いずれのセンターも食材の冷蔵保存など工夫を図っているほか、万が一に備え、再開当初(16・17日)は弁当対応を検討している自治体もあった。

 ただ県が最終的にどのような方針を示すかは不透明。ある担当者は「休校発表が突然すぎた。現場が混乱しないよう再開見通しは早めに周知するべき」と指摘。遅くとも12日までの決定を訴えた。

 同ウイルス感染の全国的な広がりから、センター側も休校延長に不安を募らせている。「仕入れ先が延長を心配している」(徳之島)、「この段階で、まとまった量の食材発注は躊躇=ちゅうちょ=する」(奄美大島)。また新年度以降についても、「社会情勢が不安定なので、食材調達に影響が出なければいいが…」(同)―など混乱の長期化を懸念する声もある。

 群島で1日当たりの提供数が最も多い、奄美市の名瀬・住用地区学校給食センター(18校、約3700食)では3月上旬の献立用に発注する予定だった食材は16日以降のスライドを仕入れ先に要請。「産地や業者への発注など、滞りなく配食できるよう準備を進めたい」としている。