徳之島キビ 南西糖業搬入終了

今期産サトウキビの受け入れを終了した南西糖業(徳和瀬工場)=31日、徳之島町

生産実績15万7千㌧台に
イノシシ被害や単収格差

 【徳之島】徳之島の南西糖業㈱(田村順一代表取締役社長)は31日夕までに2019/20年期産原料の搬入受け入れを終えた。同社2工場搬入量15万5532㌧に小型工場処理分を含む同島のサトウキビ生産実績は15万7773㌧(前期比1万1125㌧増)に。気象条件に恵まれた半面、北部を中心にイノシシ被害が深刻化した。平均買い入れ糖度は14度(前期比1・14度増)の〝高糖型〟で推移した。

 南西糖業㈱の同島内2工場は12月19日からキビ原料の搬入を受け入れ操業を開始、31日夕までの同搬入日数は延べ82日(前期80日間)だった。圧搾処理も1日中に終了見込みだ。

 同社徳之島事業本部(農務部)の製糖実績速報による町別の生産量は、▽徳之島町(1055㌶)=4万6934㌧(10㌃平均単収4・4㌧)▽天城町(1100㌶)=5万9407㌧(5・4㌧)▽伊仙町(1027㌶)=5万1432㌧(5・0㌧)。3町合わせ15万7773㌧(4・9㌧)。前期(18/19年)実績比では1万1125㌧、単収も0・592㌧伸びた半面、当初見込み(昨年11月1日現在)比は約1万3200㌧下回った。

 一方で平均買い入れ糖度(31日現在概数)は14度(前期比1・1度増)、過去10年間(平均13・5度)では4番目に高い。町別だと▽徳之島町13・9度(1・0度増)▽天城町14・19度(1・3度増)▽伊仙町13・84度(1・0度増)の順。生産者平均手取り価格(㌧)は2万1851円(前期比1111円増)となった。

 同社の松山洋次郎取締役・農務部長は、台風や干ばつ被害もなく良好な生育環境の中で当初見込みを下回った原因に、①北部を中心としたイノシシ食害の深刻化②生産者間の単収格差の拡大③一昨年の台風被害による株出しほ場への影響―などを指摘する。

 特に、単収格差については「高齢化と労働力不足からくる栽培管理作業不足、株出し栽培周期(通常3年)の長期化も原因。農作業受委託調整センターなど組織の設立が急がれる。3町で計3700㌶、18万㌧以上ないと2工場の維持も非常に厳しい」と話した。