県立奄美図書館が再開

ビニールシートが設置されたカウンター

席の間隔を開けた学習室

万全の予防体制整え開館
カウンターにビニールシート 立ち位置マーキング、本も消毒

 奄美市名瀬古田町の県立奄美図書館(日髙京美館長)が再開している。県の方針を受け、7日から通常開館。10日、同館には再開を心待ちにしていた住民らが来館し、ソーシャルディスタンスを保ちながら利用していた。図書館側は万全の感染症予防体制を整え、開館を継続していきたい方針。

 同館は4月17日から今月6日までの休館期間中、職員らが意見を出し合って、新型コロナウイルス感染症の予防策を考えた。館内のレイアウトを変更するなどして再開に備えてきた。5日、三反園県知事が休業要請対象を4業種に縮小したことを受け、再開を決めた。

 再開に当たってさまざまな予防策が取られている。カウンターには飛沫防止のビニールシートを設置。利用者が並ぶカウンター前の床には、ソーシャルディスタンスを保てるよう間隔を開けた立ち位置をマーキング。利用者が長時間立ち寄る新聞設置コーナーは、3密を避けるため1階と2階に分けた。

 さらに、十分な換気を行い、閲覧コーナー・学習室の席を減らした。消毒液の設置個所も増やし、多くの人が触れる蔵書検索端末はこまめな消毒を実施。返却された本も消毒している。

 一方で、今月予定されていた「あまみならでは学舎」「お母さんとお父さんのための読み聞かせ教室」については、シマ唄の歌唱を伴うことや幼児が多く集まることなどを考慮し、中止せざるを得なかった。

 同館の髙崎智博館長補佐によると、休館中も、「図書館は開いているか」との問い合わせが絶えなかったという。「住民の皆さまが図書館を必要としていることを感じ、早く開館したい思いがあった」と髙崎館長補佐。

 再開後、館内が混み合うことも想定していたが、客足は落ち着いているという。再開後最初の週末となった10日、利用者らは互いにソーシャルディスタンスを保ちながら利用していた。

 髙崎館長補佐は「今まで当たり前に開館できていたことが、実は当たり前ではなかったと実感した。できることを精いっぱいやって開館していきたい。利用者の皆さまにも、当館の感染症対策についてご理解いただきたい」と話し、「これからも、地域を支える・役立つ・つなぐ・育む図書館でありたい」と決意を新たにした。

 同館は火曜日~土曜日午前9時~午後7時、日曜日午前9時~午後5時開館。学習室も開放。学習室以外は1回あたりの利用は30分程度とされている。