握手、街頭演説控えめ

立候補者の訴えに、支持者はコロナ対策で間隔を空けて聞き入った(19日午前11時)

コロナ対策、異例の態勢に困惑
大和村議選スタート

 大和村議会議員選挙(定数8)は19日、告示された。現職6、新人3、前職1の計10人が立候補を届け出て、地元を中心に村内一円での選挙戦をスタートした。新型コロナウイルスの感染防止対策を踏まえ、各陣営は動員を最小限度にし、支援者への握手や街頭演説を控えながら遊説する異例の事態に。立候補者からは「これまでの選挙と勝手が違う」などと困惑する声が挙がっている。

 選挙では地元の基礎票を地盤に、地縁・血縁による支持固めが中心。だがコロナ対策のため、各陣営は従来の対面重視の手法が取れないと明かす。

 街頭遊説による集会を控え、選挙カーで村内を巡りながらの連呼を基本に車から降りての握手も積極的にせず、帯同する車両も最小限(1台)。また選挙事務所では訪れる支援者にマスク着用を呼び掛けるほか、事務所内で密閉・密集・密接の「3密」回避など期間中は対策を講じる方針だ。

 多くの候補者が人口減少対策や高齢者福祉の向上、雇用創出、産業振興など課題解決を公約に掲げ、新人候補の一人は議会改革を強調し「議会の乱れを正し、体制刷新を実行したい」と力を込めた。また現職の一人は任期中の実績を挙げ、「山積する課題に、引き続き取り組ませてほしい」と第一声。間隔を空けながら並ぶ有権者を前に支持を訴えた。

 あるベテラン現職の陣営は「人を集め過ぎると批判されそうだし、集めないと手ごたえがつかみづらい。これほどやりにくい選挙は過去記憶にない」と戸惑いを見せる。その分、電話連絡を重点に支持の引き締めに取り組むという。

 一方で別の陣営からは「表面上は盛り上がりに欠ける選挙戦」とした上で、「議員選は地盤が決め手。コロナ対策はそれほど影響しない」との見方も。

 いつもより静かな選挙戦スタートに、団体職員の男性(42)は「地元の立候補者に投票する予定。特に人口減少に歯止めを掛ける政策実行を期待したい」と話した。