6月定例県議会は10日、引き続き一般質問があり、郷原拓男議員=自民党、鹿屋市・垂水市区=、小園成美議員=自民党、指宿市区=、寺田洋一議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=、白石誠議員=自民党、薩摩郡区=が登壇。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止で、4月25日から5月6日までの間行われた県内全域の遊興施設、飲食店など99施設への休業・時間短縮要請に伴う協力金について、最終的には約14億円程度が支給されるとの見通しが示された。
休業等要請について三反園訓知事は「大型連休期間中の三つの密や特定多数の人が集まることを避けるなど接触機会を減らすことが重要と考え、専門家等の意見を踏まえ感染拡大の恐れのある99施設に対し休業等の要請を行った」と説明。対象は中小企業者や個人事業主としていたが、県の要請に応じ対象施設の休業等に取り組んだNPO法人なども支給対象に加えている。
休業等協力金の窓口体制・申請件数などについては五田嘉博商工労働水産部長が答弁。それによると、できるだけ多くの問い合わせに応じられるよう1台の電話に3人の職員がついて対応するとともに、休業要請の担当者と協力金の担当者がそれぞれサポートして対応。問い合わせ件数は初日が約700件、二日目がこれまでの最多となる約900件となり、その後減少したが、申請受付開始直後の5月11日には約800件と再び増加している。
申請件数は6月4日時点で約6600件に達し、支給件数は約2千件。今後の見込みについて五田部長は「これまでの申請状況をみると申請開始直後は1日当たり約900件だったが、次第に減少し、現在は1日当たり100~200件の間で推移している」と述べ、最終的には約1万社に対し、約14億円程度の支給額になる見込みとした。この算定根拠は、支給額の平均が約14万円となっているため。
Web会議システムの活用に関する質問もあった。感染拡大防止の観点から県庁内での同システム利用が増加。藤本徳昭企画部長の答弁によると、2019年度の年間56回に比べ、今年度は4月、5月の2カ月だけで45回となっている。また県庁のネットワークに接続していない関係機関を始めとする外部とのWeb会議に必要となる機器の貸し出しも増えており、19年度の年間53回に比べ、20年度は4月、5月の2カ月間で57回となっている。
藤本部長は「県が徹底を呼び掛けている新しい生活様式の実践例でも働き方の新スタイルの一つで『会議はオンライン』と示しており、Web会議の必要性はますます高まる」としたうえで、「今回の補正予算により外部の方々も参加する説明会の増加にも対応できるより利便性の高いシステムを整備することとしており、これまで以上にWeb会議の活用が図られるよう努める」と述べた。
コロナ禍における農政では食料自給率向上が取り上げられた。18年の農業産出額が全国第2位の鹿児島県の食料自給率は直近の17年度で82%となり、全国平均の38%と比べ高く全国第8位。食料自給率向上に向けて満薗秀彦農政部長は、▽担い手となる大規模経営体や後継者の確保育成▽担い手への農地の集積集約化▽スマート農業の現場実装など生産性の高い農業推進▽大規模畑地かんがい施設を活用し収益性の高い営農の確立―などに取り組んでいるとした。