奄美市パッション品評会

出品果実を丁寧にチェックする審査員ら

左から銅賞・池田さん、金賞・上原さん、銀賞・金城さん

上原さん(名瀬)連覇
出品18点、バランスとれた味に

 2020年度奄美市施設パッションフルーツ品評会(奄美市主催、第6回)が11日、同市名瀬浦上町の県農業開発総合センター大島支場で開かれた。ルビースター部門に18点の出品があり、金賞に上原龍治さん(38)=名瀬=が輝いた。2019年度に続き2度目の金賞。今年のパッションフルーツは全体的に糖度と酸度のバランスがとれており、加えて金賞は外観の美しさが特徴だった。

 11日午前の品評会では審査員5人がL規格を対象に審査。パッションフルーツの甘酸っぱく爽やかな香りに満たされた会場で、色合いや玉ぞろいを一つ一つ確認した。

 出品果実の糖度は平均16・73度(最高17・9度)、クエン酸度は平均1・44%だった。昨年度の糖度は平均17・38度(最高18・3度)クエン酸度は平均1・50%だった。

 審査委員長を務めた德永太藏氏(同センター大島支場長)は講評で「昨年は台風の直撃がなく、暖冬になるなど天候に恵まれ、初期発育が順調だった。一方で、2~4月にかけて気温が低かったことから、開花時期が1週間ほど遅れた。しかし収穫に大きな影響はなく、平年並みの糖度・酸度で食べやすい味に仕上がった。今年度出品されたものにはどれも大きな差がなく、生産技術の向上を感じた」と述べた。

 市農林水産課によると、2019年度実績の施設パッションフルーツ栽培農家戸数は57戸、栽培面積5・9㌶、生産量74・8㌧。県が認定する「かごしまの農林水産物認証(K-GAP)を受けた奄美市パッションフルーツK-GAP推進部会メンバーは15人。

 最優秀賞の金賞を受賞した上原さんは「水やりや遮光、肥料などを工夫した。家族や行政のサポートで良いものを作ることができた」と話した。

 銀賞の金城良洋さん(38)=名瀬=はパッションフルーツ作りを始めて10年目。「10年目にして初めて賞を取ることができたのでうれしい。タンカンも作っているので、パッションフルーツとともに奄美の基幹作物にしていきたい」と話した。

 銅賞の池田大亮さん(41)=笠利町=は「パッションフルーツ作りは4年目。初入賞してうれしい。6月いっぱいで収穫を終え、台風に備える予定」と話した。