奄美の自然の幻想的な姿を切り取った作品と撮影者の吉行さん
奄美市名瀬のアマチュアカメラマン、吉行秀和さん(61)の写真展が19日、瀬戸内町手安の大島紬工房「こにや紡ぐや」で始まった。今年撮影した新作約10点を中心に、これまでに喜界島や奄美大島の自然風景の写真パネル約20点が店内や店舗前のイートインコーナーなどに飾られている。27日まで。
吉行さんは約20年前から趣味として写真撮影を始め、出身地の喜界島や奄美大島の自然を中心に撮影を続けており、これまでに数々の写真コンテストで入賞。奄美空港や勤務する大島北高校などにも多くの作品が展示されている。
今回展示している作品は瀬戸内町の海岸や大和村の山中、喜界島の海などで撮影。日没直前の夕焼けで紫色に染まった空や薄暗い森に差し込む日差しに浮かび上がるヒカゲヘゴ、マングローブの原生林に咲くサガリバナが散り水面に浮かぶ様子などなど奄美の自然が織りなす幻想的な世界を切り取った。
光と影が生み出すコントラストや時間の経過にあわせて変化する自然の色合いなどを表現した作品が多く、「時間帯や天候などを考え、わずかな瞬間を逃さず切り取った。美しい風景は島からの贈り物。それを写真を通して多くの人に届けることができたらうれしい」と話している。
会場となっている「「こにや紡ぐや」は今年3月にオープンしたばかり。吉行さんは店主の重山こずえさんと3年ほど前、同町で初めて開いた個展で知り合った。重山さんは「奄美にこんな美しい風景があることを吉行さんの作品で知った。ぜひ、近くに来た際は、足を運んでほしい」と来場を呼び掛けている。
同店の営業時間は午前11時~午後5時。店内では大島紬の展示販売や小物販売、地元産の食材を使ったランチなども提供している。写真展の問い合わせは同店(電話0997―72―4575)へ。