隈崎氏が初当選

バンザイをして初当選を喜ぶ隈崎氏(27日午後10時ごろ。同町赤連の選挙事務所)

喜界町長選 投票率86・59%
102票差で20年ぶり選挙戦制す

任期満了に伴う喜界町長選と同町議選は27日、投開票された。現職の勇退により、新人同士の一騎打ちとなった町長選は、元副町長の隈崎悦男氏(66)=無所属=が、2536票を獲得、元県職員の米澤守光氏(71)=同=に102票差をつけ初当選を果たした。隈崎氏は、勇退する川島健勇町長の支援を受けるなど現町政の継承を訴え、交流人口の拡大などによる人口減少対策や雇用創出などの経済対策、子育て支援などを掲げ、2000年以来20年ぶりとなった選挙戦を制した。投票率は86・59%で、00年の前回選(95・67%)を9・08ポイント下回った。

町長選と町議選の投票は午前7時から午後6時まで、同町役場コミュニティセンターなど町内9カ所で行われた。町長選は有権者の50%を超える約3000人が期日前投票を行った。20年ぶりの選挙戦ということもあり、町民の関心度も高かったが、最終的には前回選を下回った。

両選挙の開票作業は午後8時から同センターで行われた。会場は、新型コロナ対策のため抽選による入場制限を行う一方、インターネットで開票作業の様子をライブ配信、両選挙の候補者の支持者らは、かたずをのんで票の行方を見守った。

初当選を果たした隈崎氏は、今年6月、出馬のため副町長を辞任。選挙戦では現町政の継承をアピール、告示日(22日)に行った出陣式には、川島町長も応援に駆け付け、支援を呼び掛けた。選挙カーで町内一円をくまなく回り、「長年培った行政経験などを生かし、元気な島をつくっていく」などと訴え、交流人口増と雇用の創出、基幹産業である農業や観光などの産業振興、子育て支援やコロナ禍での医療体制の確立などの政策を掲げ、支持を広げた。

米澤氏は、県職員として保健福祉行政に携わった経験などから、新型コロナ対策への手腕と県庁とのパイプなどを強調、「町民の声に耳を傾け新しい喜界島をつくる」などと町政の刷新を呼び掛けた。地元の建設業者などの支援も受け、最後まで接戦を繰り広げたが一歩及ばなかった。

隈崎氏の新町長としての任期は10月5日にスタートする。

町長選の当日有権者は5809人(男2853人、女2956人)、投票者数は5030人(男2481人、女2549人)。有効投票4970票、無効60票。