玄関前に用意されたお菓子をもらい喜ぶ子どもたち
中秋の名月にお菓子もらい地域のつながり深める
名瀬石橋町 子どもたち笑顔で
旧暦8月15日に当たる1日夜、奄美市名瀬石橋町で、住民が用意したお菓子を子ども達がもらって回る、お月見イベント「十五夜家回り」が開かれた。子どもたちは同町の家々10軒ほどを回り、「お月見でーす。お菓子をください」と元気に声をかけながら、玄関や軒先に用意されたお菓子や餅をもらい喜んだ。
同町子ども育成会(村田直美会長)の主催。奄美各地では、十五夜の夜に、お供え物として飾られているお菓子などをもらって回る習わしがあり、同町育成会が3年前から地域の行事として復活させた。
同様の風習は全国各地にもあり、子どもたちは月からの使者と考えられ、この日に限り、供え物をもらって良いとされており、取られると、縁起が良く、豊作になるという。
この日は、同町の小学生ら約30人と保護者ら計約50人が参加、大きな袋を手に、4グループに分かれて、家々を回った。お菓子を用意した家の前に集まった子どもたちは、「お月見でーす」などと呼び掛け、用意されたお菓子をうれしそうに取って袋に詰めていた。
奄美小2年の龍心央さん(7)は「みんなで家を回るのがとても楽しかった。また来年も参加したい」と笑顔で話し、同小1年の池島大和君(6)は、「こんなにたくさんお菓子をもらえてうれしい」と袋いっぱいのお菓子にうれしそうだった。
今年初めてお菓子を用意し、子どもたちを招き入れた同町の永井敏弘さん(44)は「子どもの元気な姿を見るとこちらも元気になれる。こうした行事を通して地域のつながりも深まってもらえたら」と喜んでいた。