新型コロナの影響で、上半期の搭乗客数は前年比6割減少となった奄美空港
奄美市笠利町の奄美空港ターミナルビル(幸進也代表取締役社長)は17日、同市内の集宴会場で臨時株主総会を開いた。2020年度上半期(4~9月)の事業概況報告があり、就航する10路線の合計乗降客数は17万5875人で、前年同期比で6割(27万5317人)が減少した。新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う移動自粛や航空各社の減便措置などの影響から、これまでの実績は大きく落ち込んでいることが分かった。
同空港管理事務所発表を基に同社がまとめた乗降客数実績を見ると、緊急事態宣言を全国に拡大した4・5月が前年同月比での減少幅が大きい。
例年、大型連休で繁忙期となる5月は9割減っており、路線別では、東京(羽田・成田)線360人で前年同時期比2%、大阪(伊丹・関西)線609人で同6・1%、鹿児島線4547人で13・6%―など、都市圏直行便の落ち込みが作用していたほか、群島間を結ぶ路線も前年比で2割程度だった。
6・7月は持ち直しが見られたが、8月は東京など各地でクラスター(感染者集団)発生から再び減少傾向に。なお9月は、国の旅行支援「GoToキャンペーン」のトラベル事業の後押しから、前年同月に比べ6割程度に盛り返している。
同社関係者は各社の減便措置が徐々に解除され団体客が戻りつつあるとの見方。一方で新型コロナの感染収束が見えないため、再度減便措置となる可能性を指摘する。幸代表取締役社長は「厳しい数字が続いている。感染対策を講じながら、事態の推移を注視していきたい」と話した。
同社の株主(20人)は奄美大島内の首長や関係事業所などで構成され、この日の臨時総会には代理人、委任状含め全員が出席。取締役1人の退任に伴う鹿児島県知事・塩田康人氏(54)の取締役選任を承認した。