新型コロナ影響で中止も

離島航路のフェリーで鹿児島市に向かう修学旅行生(13日午後8時、奄美市名瀬港のフェリーターミナル)

行先変更 県外から県内、島外から島内へ
修学旅行

 新型コロナウイルスの影響で、全国で修学旅行の延期や中止、行先の変更などが相次ぐ中、奄美の小中学校でも行程変更や旅行自体を取りやめる学校が出ている。予定通り県本土や九州、沖縄各県への旅行を実施する学校もあるものの、修学旅行を予定している奄美群島の小中学校92校のうち、宇検村と龍郷町、喜界町の7小中学校が今年度の実施を取りやめ、来年度実施に。奄美市の伊津部小は、行先を県本土から島内に変更、旅行先を県外から県内や島外から島内に変更した学校もある。

 奄美の小中学校ではほとんどの学校が、5、6月に予定していた旅行を10月以降に延期、一部ではすでに旅行を終えた学校もあるが、多くがこれから出発する予定。奄美市の名瀬港フェリーターミナルでは13日、鹿児島市に向かうフェリーに乗り組む児童らの姿があった。

 奄美市は、今年度修学旅行を予定している小中学校計20校のうち、伊津部小を除く19校が県本土や長崎、熊本、佐賀県などを訪問する予定。伊津部小は当初、鹿児島市などを訪問する予定だったが、新型コロナの影響から島内での1泊旅行に変更、10月下旬に瀬戸内町や宇検村などを巡る行程で実施を予定している。同小の山田吉夫校長は「鹿児島市の感染状況などから不安に感じる保護者も多かった。子どもたちには、地元奄美の良さを知る機会にしてほしい」と話している。

 このほか同市では、九州各地を訪問予定の中学校が、新型コロナの感染者が多い福岡県を訪問先から除外するなどした。

 喜界町では、喜界小が訪問先を鹿児島市などから奄美大島に変更したほか、早町小が旅行自体を中止した。同小では5、6年生が対象となっており、5年生については来年実施予定だが、6年生11人は修学旅行に行けないことに。同小では「6年生には、修学旅行に代わる学校の思い出に残るようなものができないか、今後検討したい」としている。

 中学校では、2年生が対象になっていることもあり、宇検村、龍郷町、喜界町の計6校が今年度の実施を中止し、来年度に変更した。

 沖縄県を予定していた徳之島と沖永良部島の小中学校10校では、行先を鹿児島市などに変更する学校もあり、和泊町の小学校3校が沖永良部島内に、知名町の小学校5校が奄美大島に行先を変更した。

 このほか、現在も実施や行き先の変更などについて検討中とする学校もあり、新型コロナの感染状況と児童生徒の安全確保などを考慮するなど、各学校には難しい判断を迫られている。